1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08282224
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木下 タロウ 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10153165)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 潤二 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (50163407)
|
Keywords | 発作性夜間血色素尿症 / 造血幹細胞 / ジーンターゲティング / モデル動物 / GPIアンカー |
Research Abstract |
発作性夜間血色素尿症(以下PNHと略す)は、PIG-A遺伝子に体細胞突然変異を持つ異常な造血幹細胞クローンが拡大し、多数のGPIアンカー欠損血球を抹消に供与することにより発症する。PIG-Aのマウス相同遺伝子Pig-aを欠損したES細胞を用いて作ったキメラマウスの解析から、異常クローンの拡大には、PIG-Aの変異以外に第2の要因があることが示唆されていた。しかし、キメラマウスの中に生後1年後から異常血液細胞の拡大を起こした個体が出現した。本研究では、この現象を再現し第2の要因がPig-a欠損の造血幹細胞自体に起こるのか、骨髄環境に起こるのかを区別し、2つの要因とクローン性拡大の関係を明らかにすることを目的とする。通常の手法でキメラマウスをつくろうとすると、強い致死性のため低キメリズムの個体が少数得られるだけであった。安定に多数のキメラを作るためコンディショナル遺伝子ターゲティングの手法を用いた。まず、X染色体上のPig-a遺伝子のエクソン6をはさむようにlox P配列を挿入したマウスの系統を確立した。このマウスの雄とヒトサイトメガロウイルスプロモーターでCreを発現するトランジェニックマウスの雌を交配し胎児を得た。14日目の肝の赤血球は半数以上がGPI欠損であったので、造血幹細胞を含む細胞画分を、致死量照射したマウスに移植した。6週後末梢血を調べると各血液系にGPI欠損細胞が存在していた。すなわち胎児肝中にGPI欠損造血幹細胞が存在し、移植によって血液系キメラマウスができることがわかった。これらのキメラはPNH発症の第1要因を備えたマウスであり、第2の要因の解析に応用していく予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Taroh Kinoshita: "Protection of host from its own complement by membrane-bound complement inhibitors:C3 convertase inhibitors vs membrane attack complex inhibitors." Research in Immunology. 147・2. 100-103 (1996)
-
[Publications] Reika Watanabe et al.: "PIG-A and PIG-H,which participate in glycosyl phosphatidyl-inositol anchor biosynthesis,from a protein complex in the endoplasmic reticulum." Journal of Biological Chemistry. 271・43. 26868-26875 (1996)
-
[Publications] Jun-ichi Nishimura et al.: "A patient with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria bearing four independent PIG-A mutant clones." Blood. (in press).