国際社会における医療技術製品及びサービスの新しい評価法と調達手続きに関する研究

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08300006
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 阿部 弘 北海道大学, 医学部・附属病院・病院長, 教授 (80000983)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山岡 克武 東京工業大学, 工学部, 助手 (90262279) ; 南 弘征 小樽商科大学, 商学部, 助教授 (80261395) ; 三谷 和史 小樽商科大学, 商学部, 助教授 (70190676) ; 佐藤 松治 北海道大学, 医学部, 助手 (10225948) ; 松浦 享 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (90271676)
• Keywords: 政府調達 / 総合評価 / WTO / 仕様書 / 医療技術製品 / 電気通信 / コンピュータ / 貿易摩擦

Research Abstract

日米貿易摩擦を背景に、国際化社会における政府調達制度のありかたとして内外無差別・手続きの透明性・公正性を確保することを確保するため、医療技術製品をはじめ、電気通信分野・コンピュータ分野の政府調達手続きに対し、従来の最低価格落札方式に加え、あらたに総合評価落札方式が導入されるとともに、時期を同じくして、供給者による苦情申し立て制度も整備された。これらの制度が導入された結果、調達機関における調達業務にかかる負荷は相当程度増大し、また、仕様書の中で求める技術的要件等の記載内容に関する疑義申し立てが飛躍的に増加した.これらの負荷は、調達機関の本来の業務に対しネガティブに働き、かつ調達機関のニーズを充足することが困難になると憂慮される.
今回われわれは、平成7〜8年度に全国立大学及び研究機関において、総合評価落札方式によって調達された医療技術製品及びこれに関連して調達されたコンピュータ、電気通信機器の仕様書及び総合評価基準の収集を行い、調達カテゴリー毎に再分類し、テキスト解析の元資料とするため、平成8年度該当資料のデジタル化を完了し、SINET,TRAINを経由したデータテーブルの作成を行った.これと並行し、北海道大学、小樽商科大学、東京工業大学の3研究施設において統計解析環境を実現し、第2年次に予定されているデータ解析の準備を完了した.一方、現行の総合評価落札方式における理論的問題点等につきメーリングリスト等を利用したディスカッションを主としつつ、会計担当事務官等の研究協力者に協力を要請し3回の全体検討会議を開き、現行制度上で対応可能な制度の改善策として(1)仕様書について業務仕様書としての概念の拡張(2)提案後評価の概念及び評価手法の導入を提言し、平成9年度調達から実施されることとなった.