1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08301011
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Section | 総合 |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鹿又 伸夫 北海道大学, 文学部, 助教授 (30204598)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 暢 秋田大学, 教育学部, 助教授 (10238363)
太郎丸 博 大阪大学, 人間科学部, 助手 (60273570)
高瀬 武典 関西大学, 社会学部, 教授 (90187956)
織田 輝哉 慶応義塾大学, 文学部, 助手 (20276421)
稲葉 昭英 東京都立大学, 人文学部, 専任講師 (30213119)
|
Keywords | ブール代数 / 質的比較 / 事例分析法 / 質的分析法 / 演繹的モデル / 真理表データ |
Research Abstract |
平成8年度の研究計画では、事例データ分析手法として提案されたブール代数アプローチを、(1)多様な調査データに応用する、(2)調査方法の異なるデータに応用する、(3)理論の定式化および理論比較に応用する、(4)数理モデルとして拡張する、ことなどを目標とした。 ブール代数アプローチを計量的方法としてもちいる(1)および(2)については、調査票調査、ヴィネット調査、マクロ統計データ、歴史資料、名簿データなど多種多様なデータに応用できることが確認された。それらの応用研究の具体的テーマは、意識構造、裁判官経歴、組織成長、社会運動などに関するものであった。 演繹的・数理的方法として応用する(3)および(4)の目標についても、役割の内部構造・行為の論理構造・投票のパラドックス・予言の自己成就などの理論的概念を定式化できる可能性が高いことが確認された。とくに予言の自己成就については、これを人間の合理性から説明するモデルとして雑誌論文に発表した。 他方で、ブール代数アプローチのもつ欠点についても、次のような点が明らかにされた。社会移動表などのクロス表の分析に応用する場合、縮約が不完全になるために、応用できないことがある。2値データに変換する基準を変更する事によって、縮約式の構造がおおきく変わり、分析結果の解釈が一義的に決定できないことがある。因果的媒介関係が含まれた真理表データの場合、結果変数に矛盾が現れる、などである。これらの欠点が明らかになったが、総じていえば、ブール代数アプローチを事例データ分析法に限らず、幅広いデータにたいする計量的方法および演繹的方法として応用する方法は社会学的研究法として有用であることが確認できた。
|
Research Products
(1 results)