1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08301035
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
礪波 護 京都大学, 文化研究科, 教授 (10027534)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 裕正 奈良女子大学, 文学部, 教授 (90127481)
植松 正 京都女子大学, 文学部, 教授 (10036030)
杉山 正明 京都大学, 文学研究科, 教授 (00127094)
夫馬 進 京都大学, 文学研究科, 教授 (10093303)
愛宕 元 京都大学, 総合人間学部, 教授 (70027548)
|
Keywords | 中国 / 都市管理 / 都城 / 宗教都市 / 都市生活 / 長安 / 北京 / カントン |
Research Abstract |
本研究は、中国歴代王朝の国都を始めとする都城の都市管理の問題に焦点をあわせて、城郭・街区などの空間の管理、生産・流通の統制、犯罪・訴訟の処理、宗教・文化に対する監視、消費・慈善活動などの生活面の規制ないし自主管理の諸相を、明らかにせんとして発足した。 本年度分として配分を受けた補助金の使途のうち、設備備品としては唐代・宋代・元代・明代・清代の<都市生活長巻>を副題にもつ中国湖南出版社(1996年9月)肝の五冊を始めとする書籍を購入した。歴代王朝における都市管理の研究を推進する上で、これら都市生活に焦点を合わせた研究が中国本土で出版されたことは、有り難いことであった。 研究代表者の礪波は、昨年度に公刊した編著の『隋唐帝国と古代朝鮮』(世界の歴史6、中央公論社刊)で、唐代の国都長安と副都洛陽がいずれも宗教都市であったという見解を披瀝したが、今年度も「大泰景教流行中国碑」や「玄秘塔碑」など、唐代宗教石刻の拓本類を精査した。 研究分担者のうち、植松正は『元代江南政治社会史研究』(汲古書院刊)で、杭州を始めとする江南の地域社会における経済政策や在地官人の活躍についての詳細な論考を公表したし、杉山正明は北川誠一との共著『大モンゴルの時代』(世界の歴史9、中央公論社刊)の第3章「世界文明への射程」で、<港のある巨大帝都>たる大都、すなわち現在の北京の特色についての斬新な見解を提示し、井上裕正は並木頼寿との共著『中華帝国の危機』(同19)の第2章「アヘン戦争」で、アヘン戦争の舞台であった華南の都市カントンについて、多様な角度から綿密な考察を行った。ほかの分担者も、それぞれ実施計画に沿って研究を続けている。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 礪波 護: "隋唐時代の中国と日本の文化" NEXTAGE. 50. 4-9 (1997)
-
[Publications] 佐原 康夫: "居延漢簡に見える官史の処罰" 東洋史研究. 56-3. 1-33 (1997)
-
[Publications] 愛宕 元: "唐代府兵制の再儉討" 東洋史研究. 56-3. 61-89 (1997)
-
[Publications] 中砂 明徳: "江南史の水脈" 岩波講座世界歴史(岩波書店刊). 11. 177-200 (1997)
-
[Publications] 杉山 正明: "はるかなる大モンゴル帝国" 世界の歴史(中央公論社刊). 9. 1-290 (1997)
-
[Publications] 井上 裕正: "アヘン戦争" 世界の歴史(中央公論社刊). 19. 35-76 (1997)
-
[Publications] 植松 正: "元代江南政治社会史研究" 汲古書院, 532 (1997)
-
[Publications] 杉山 正明: "遊牧民からみた世界史" 日本経済新聞社, 390 (1997)