1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08304027
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Section | 総合 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 道夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90166736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹広 真一 九州大学, 理学部, 助手 (30274426)
久保川 厚 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (00178039)
船越 満明 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40108767)
三村 昌泰 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50068128)
木田 重雄 文部省, 核融合科学研究所, 教授 (70093234)
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Keywords | 地球流体力学 / 準地衡風近似 / ロスビー波 / 2次元乱流 / 海洋風成循環 / 亜熱帯反流 / 惑星磁場 / 孤立派 |
Research Abstract |
本年度は、2年計画の1年目として、惑星大気現象・惑星内部運動・海洋運動を対象とする数理的研究を行なうとともに、基礎的室内実験の実施とそのデータベース化を行なった。10月および2月の2回、東京大学において研究連絡集会を開催し、研究の進展状祝の報告と情報交換を行なった。数理的研究としては、まず、惑星大気における前線発生と関連した準地衡流方程式の解を調べ、従来の予想とは異なって特異性は発生しないことを見い出した。また惑星大気の運動要素である回転球面上の2次元乱流中におけるロスビー波と帯状流形成の関係を詳細に検討した。更に、惑星の内部運動を対象として回転球殻内におけるブシネスク対流の空間構造を調べ、赤道面中央部に生じる渦柱の内部および外部におけるねじれた渦線構造を明らかにした。この結果は惑星磁場のダイナモ機構と密接に関連しており、次年度も研究を継続する。また、山岳などが大気運動に与える影響と関連して、波の位相速度と流体速度が近い共鳴状態について調べ、孤立波の上流側への放出とその放出周期に見られる引き込みについて調べた。更に、亜熱帯反流のような海洋風成循環中に現れる大規模な構造について、何らかの非断熱的強制によって生じる一種の「定在した非線形ロスビ一波」という観点から、ventilated thermoclineモデルの持つ定在構造として理論的解釈を行った。以上のような数理科学的研究と平行して基礎的室内実験を行ない、準2年周期振動等の実験的検出を行なうと共にその可視化・数値処理を行ない、それらの結果を各分担者が容易に利用できるように、インターネット上でWWWによって公開した。この実験データセットは更に増補改訂中であり次年度において完成する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Ohkitani and M.Yamada: "Inviscid and Inviscid-Limit Behavior of a Surface Quasi-Geostrophic Flow" accepted in Phys.of Fluids. (1997)
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[Publications] F.Sasaki and M.Yamada: "Biorthogonal Wavelet Adapted to Integral Operators and Their Applications" accepted in JJIAM. (1997)
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[Publications] H.Kitauchi,K.Araki and S.Kida: "Flow Structure of Thermal Convection in a Rotating Spherical Shell." Nonlinearity. (in print).
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[Publications] 松本淳子,竹広真一,行武 毅: "熱伝導層をおいたときの熱対流:マントルの熱的な影響を考慮したコアの対流" 月刊地球. (印刷中). (1997)
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[Publications] Mitsuaki Funakoshi: "Interaction and Generation of Waves in a Two-Layer Fluid Flowing over Localized Bottom Topography" Dynamics of Atmospheres and Oceans. Vol.23,Nos.1-4. 267-277 (1996)
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[Publications] 久保川 厚: "非線形ロスビー波と海洋循環構造" 京都大学数理解析研究所講究録. (印刷中).