1998 Fiscal Year Annual Research Report
系統樹にもとづく種間比較法による共進化と性的二型の解析
Project/Area Number |
08304049
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
粕谷 英一 九州大学, 理学部, 助教授 (00161050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 瑞樹 富山大学, 理学部, 助手 (20222135)
嶋田 正和 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教授 (40178950)
三中 信宏 農水省農環研, 主任研究官
酒井 聡樹 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (90272004)
矢原 徹一 九州大学, 理学部, 教授 (90158048)
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Keywords | 種間比較 / 系統関係 / 分子統計樹 / 共進化 / 性的二型 / 性分配 / 性表現 / 社会的昆虫 |
Research Abstract |
植物とそれをホストとする生物の共進化については,マメ科植物とこれを餌とする昆虫であるマメゾウムシ類の関係を中心に研究を行なった。植物種あたりの昆虫側の種数を見ると,まず分類群との関係では,分岐年代の早い2亜科の種子はマメ亜科より有意に多い昆虫種を保有していたが,木本は草本より昆虫種数が有意に多く,この効果を除去すると分類群の効果はなくなることがわかった。また,植物の分布範囲と植物の時間的・空間的分布がいずれも中間スケールで昆虫種数が最大となった。これは,昆虫側の生理的適応・地理的分散と植物側の食害に対する防御の進化に起因すると考えられる。また,この調査と並行して,マメ科植物ならににマメゾウムシの分子系統樹を作成した。また,ラン科植物と菌根菌の関係の種間比較から腐生性の進化を分析した。 性的二型の進化については,トンボ類での解析の基礎となるミトコンドリアDNA上にコードされるチトクローム酸化酵素のサブユニットI領域(COI)を用いた分子系統樹の作成が数種を除いて完了した。コドン座位によって塩基組成および置換率に偏りのある配列データであると考えられたため,一般化最節約法を用いて系統推定を行なった。植物での性配分・性表現の進化に関しては,シンク-ソース関係を組み込んだ性的な配分の理論モデルの予測を,すでに先行研究により判明していた系統関係を用いて,Felsensteinの独立対比法により検討した。 また,社会性昆虫の進化については,アリの女王数およびゴールを作るアブラムシに関しておもに研究を進めた。アリの女王数については,女王の分散リスクを主要因と考える繁殖スキューの理論と生活史戦略をベースにしたモデルが異なった予測をもたらす。今年度の段階では,系統樹の不完全性がおもな原因となって,決定的な結果は得られなかった。 以上の分析を支える方法の検討については,とくに離散的なデータの取り扱いと系統推定における祖先形質状態の復元について検討を進めた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Toriyama,S.: "The complete nucleotide sequence of the rice grassy stunt virus genome and genomic comparisons with viruses of the genus Tenuivirus." Joinal of General Virology. 79. 2051-2058 (1998)
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[Publications] Sakai,S.: "Female-biased sexual allocation in cosexual plants:result of sink-limited growth of fruits." Evolutionary Ecology Research. (in press).
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[Publications] Sakai,S.: "Female-biased Sexual allocation in relation to growth rate of fruit in Erythronium japonicum." Oecologia. 117. 391-395 (1998)
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[Publications] Sasaki,A.: "A test for the resource recovery hypothesis:tree sprouting using carbohydrates from above-ground parts." Annals of Botany. 82. 213-216 (1998)
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[Publications] Tsuji,K.: "Experimental investigation of the mechanism of reproductive differentiation in the queenless ant Diacamma sp.from Japan." Ethology. 104. 633-643 (1998)
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[Publications] Nakata,K.: "Sexual calling by workers using metatibial glands in the ant,Diacammasp.from Japan." Jounal of Insect Behavior. (in press).