1996 Fiscal Year Annual Research Report
極限環境下における機械的接触現象のトライボロジー評価に関する研究
Project/Area Number |
08305004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 総合 |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉田 嘉太郎 千葉大学, 工学部, 教授 (80174960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 治久 上智大学, 理工学部, 助手 (40276514)
清水 伸二 上智大学, 理工学部, 教授 (70146801)
諸貫 信行 東京都立大学, 工学部, 助教授 (90166463)
古川 勇二 東京都立大学, 工学部, 教授 (10087190)
森田 昇 千葉大学, 工学部, 助教授 (30239660)
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Keywords | 極限環境 / トライボロジー / 機械的接触現象 / 光励起 / エキソ電子 / 結合面 / 接触剛性 / 真実接触面積 |
Research Abstract |
1.超高真空下での摩擦摩耗現象を基礎的に理解するため,光励起エキソ電子放射を利用した摩擦面の状態分析法を開発し,その基本性能と有効性について現有の超高真空環境摩擦試験システムを用いて評価した.阻止電場型静電アナライザとチャンネルトロンを組合わせた小型電子エネルギ分析器を試作し,真空雰囲気中で純アルミニウムのスクラッチ試験後の摩擦損傷痕を真空紫外レーザ光で励起し,エキソ電子の放射強度とエネルギ分布を測定した.エキソ電子放射挙動は損傷の程度と表面での酸化吸着過程に強く依存し,これを利用することで摩擦摩耗の過渡現象を評価できる見通しを得た.(於:千葉大学) 2.2平面接触部の法線方向剛性(接触剛性)は母材のそれより低いことが知られ,トライボロジの中でも重要な課題のひとつである.真空中での摩擦に関わる研究は従来より多いが,接触剛性を調べた例は少ない.そこで,雰囲気制御が可能な2平面接触剛性(ばね特性)測定装置を試作し,大気中,真空中および乾燥雰囲気(アルゴン)中における特性を調べた.その結果,真空中では剛性値が下がることがわかった.乾燥雰囲気中では剛性の低下がみられないため,水分子の影響が少ないことがわかった.(於:東京都立大学) 3.機械加工した2平面で形成する結合面の接触挙動を,真実接触面積とその分布を考慮した定量的測定により明らかにすることを試みた.超音波を応用し,結合面の接触率分布および接近量を同時測定できる結合挙動評価システムを試作した.これを用いて結合挙動を評価した結果,荷重Fに対する結合面の接近量δは,δcF^nで近似できる非線形挙動を示した.荷重ステップ,結合面の接近量および接触率の測定値から単位真実接触面積あたりの接触剛性を求めた結果,荷重が増加し接近量がある程度以上に増大すると塑性変形の影響と推定される接触剛性の変化が生じることが示された.(於:上智大学)
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