1996 Fiscal Year Annual Research Report
橋梁用高性能鋼の開発とその高度利用技術に関する研究
Project/Area Number |
08305014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 総合 |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三木 千寿 東京工業大学, 工学部, 教授 (20016645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名取 暢 (株)横河ブリッジ, 研究所, 研究課長(研究職)
森 猛 法政大学, 工学部, 教授 (10157860)
藤井 堅 広島大学, 工学部, 助教授 (60127701)
増田 陳紀 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (00016700)
三上 市蔵 関西大学, 工学部, 教授 (80067636)
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Keywords | 脆性亀裂 / 繰返し塑性歪み / 破壊じん性 / 隅角部 / シャルピー試験 / CTOD試験 |
Research Abstract |
本年度は、阪神淡路大震災で鋼製橋脚に生じた脆性破壊に注目して検討を行った。着目点は、 (1)ラーメン橋脚隅角部に生じた脆性亀裂の再現およびその補強対策の検討 (2)地震時に受けた繰返し塑性歪みの破壊じん性への影響 に関しての2点とした。研究成果を以下に示す。 (1)実ラーメン隅角部のスケールモデル試験体を作成し、正負交番繰り返し載荷実験を地震時と同様に0度の環境で行った結果、隅角部からの脆性亀裂を再現することができたことから、既存ディテ-ルでは阪神淡路大震災で生じたような脆性破壊を生じる可能性があることが分かったが、今度、隅角部における歪みの集中についてより検討していく必要があると考えられる。また、既存ディテ-ルの補強案として、隅角部にRを有するリブを後付溶接することにより、隅角部における歪み集中を緩和し、破滅的な脆性破壊を防ぐことができることを示した。 (2)阪神大震災により繰返し塑性ひずみを受けた既存鋼製円筒橋脚から試験体を作成し、シャルピー試験、CTOD試験を行った結果、座屈部だけではなく、座屈の見受けられない健全部と思われる部分も非常に低いじん性値しか有していないことが分かった。このじん性低下を定量的に評価するために、10〜20%の引張、圧縮塑性歪みを導入した試験体による同様の実験を行った結果、圧縮、引張に関わらず塑性歪みの導入によりじん性が大きく低下することが分かった。また、これらの塑性歪みは、歪み時効によりさらにじん性を低下させることを明らかにした。
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