1996 Fiscal Year Annual Research Report
交通計画におけるパネル調査の方法論およびパネルデータ解析手法に関する研究
Project/Area Number |
08305019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 総合 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北村 隆一 京都大学, 工学研究科, 教授 (60252467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 俊行 京都大学, 工学研究科, 助手 (80273465)
藤井 聡 京都大学, 工学研究科, 助手 (80252469)
飯田 恭敬 京都大学, 工学研究科, 教授 (10026114)
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Keywords | パネル分析 / 交通計画 / 交通行動分析 / 集計パネル |
Research Abstract |
現在,交通計画を実施する際に必要となる調査技法として,同一の固体に対して,複数時間断面に渡ってデータを収集するパネル調査が着目されている.パネルデータに基づいた交通行動に関する分析では,個人の交通行動の動的な分析が可能であることが大きな特徴である.したがって,動的モデルを用いた将来予測による予測精度の向上が期待される.また,パネルデータは,断面調査よりも情報量が豊富であることも特徴として挙げられる. しかし,パネル調査,およびパネルデータに基づいた分析には,WAVEを重ねる毎に被験者が脱落していくパネル消耗に伴う重み付けの問題や,パネル調査を複数回実行することで,被験者に影響を与えその結果データにバイアスが生じるという問題,パネル調査を複数回実行することで,被験者が回答に疲労し,その結果,データにバイアスが生じるという問題(Panel Fatigue),WAVE間の期間をどの様に設定するか,費用が制約されている場合のサンプルサイズと調査回数の最適な組み合わせはどの程度か,等様々な問題が指摘されている. 本年度では,これらの問題点に対処すべく,マスポイント法を用いたPanel Fatigue等を含む非観測異質性の考慮,初期サンプルと母集団との相違を補整する方法の提案,および,時間軸上での交通行動の遷移過程を考慮することで適切なパネル間隔の設定法の提案,等を行った.それに加えて,買い物行動を対象としたパネルデータに基づく分析を行いうことでパネル分析の有効性を示すと共に,地域を一固体と見做した集計パネルデータを用いた分析の有効性も示された.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 北村隆一: "交通計画におけるパネル調査の方法およびパネルデータ解析手法に関する研究" 土木計画学研究・講演集. 19-1. 617-624 (1996)
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[Publications] 藤井聡: "阪神・淡路大震災が交通行動に及した影響に関するパネル分析" 土木計画学研究・講演集. 19-1. 17-20 (1996)
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[Publications] 西井和夫: "多時点パネルのアトリションバイアスに関する基礎的考察" 土木計画学研究・講演集. 19-2. 791-794 (1996)
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[Publications] 張峻屹: "SPパネル調査の期間決定のための基礎分析" 土木計画学研究・講演集. 19-2. 795-798 (1996)
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[Publications] 佐々木邦明: "パネルサンプルの初期消耗バイアスを修正した動的買い物目的地選択モデル" 土木学会第51回年次学術講演概要集. 4. 376-377 (1996)
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[Publications] 藤井聡: "パネル分析手法に基づく生活圏に関する分析" 土木学会第51回年次学術講演概要集.