1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08305042
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
芝田 隼次 関西大学, 工学部, 教授 (70067742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若松 貴英 名城大学, 都市情報学部, 教授 (50025897)
新苗 正和 京都大学, 工学部, 助手 (50228128)
佐野 誠 関西大学, 工学部, 助手 (00170811)
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Keywords | 溶媒抽出法 / 微粉体 / 機能性 / 晶析 / 物性評価 |
Research Abstract |
異なる金属を含有する2種以上の有機層を混合して任意の組成の金属含有有機層とした後に、晶析反応を適用すれば種々の複合微粉体材料を調整することが可能となる。この研究では、2成分および3成分系の任意の濃度組成をもつ複合微粉体を生成する反応の条件と機構を検討し、複合微粉体を生成する方法の確立を試みた。得られた複合微粉体の熱物性、粒度分布および金属元素の分布状態などの物理的性質の評価を行った。2成分系では洋銀系合金粉(Cu-Ni)、機械部品用黄銅系合金粉(Cu-Zn)およびAg-Ni系合金粉を選び、3成分系では機会部品用準白系合金粉(Cu-Ni-Zn)を研究対象とした。 シュウ酸で晶析操作を行ったところ、いずれの金属イオンも常温、常圧下で10分以内でシュウ酸塩を形成して沈殿した。有機相中の金属成分の量に相当するシュウ酸を反応させると、定量的に反応して金属シュウ酸塩を形成する。2成分系および3成分系にシュウ酸塩としての晶析反応を適用すると、それぞれの金属イオンは同時に晶析するのではなくて、逆抽出反応が起こりやすい順に晶析現象が起こる。この際に、それぞれの金属シュウ酸塩の粒子の大きさは同一ではなく、Znのシュウ酸塩は平均径で5μm,Niのそれは2.5μm,Cuのそれは0.5μmであった。このために、2成分系および3成分系に晶析反応を適用するとき、それぞれのシュウ酸塩は粒子径の違いのために均一な混合物にならない。金属シュウ酸塩の熱分解反応は300〜400℃の温度で起こり、空気中での熱分解では金属酸化物粉に水素中での熱分解では金属粉に変換される。2成分系および3成分系の晶析物は、均一に混合した金属粉体を予測していたが、先に述べたようにそれぞれの金属シュウ酸塩の粒子径の違いから、若干偏りのある金属粉体混合物を形成することが認められた。Ag-Niの2成分系に炭酸ガスを用いる晶析反応を適用して、これらの複合炭酸塩が得られることを確かめた。
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[Publications] M.Niinae: "Utilization of Ultrasound for Precipitation Stripping of Samarium Oxalate from Samarium-Loaded Organic Solutions" Proc.20th International Mineral Processing Congress. Vol.4. 293-300 (1997)
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[Publications] T.Kakihata: "Preparation of Metal Oxide Powders from Metal Loaded Versatic Acid" Technology Reports of Kansai University. No.40. 67-80 (1998)
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[Publications] M.Tanaka: "Steady-State Local Linearization of the Countercurrent Multistage Extraction Process for Metal Ions" Industrial & Engineering Chemistry Research. Vol.36 No.10. 4353-4357 (1997)