1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08306003
|
Section | 総合 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古澤 巌 京都大学, 農学部, 教授 (10026594)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比 忠明 東京大学, 農学部, 教授 (50261954)
細川 大二郎 東京農工大学, 農学部, 教授 (50014957)
本吉 総男 岡山大学, 資源生物学研究所, 教授 (90230052)
吉川 信幸 岩手大学, 農学部, 助教授 (40191556)
渡辺 雄一郎 帝京大学, 理工学部, 教授 (60183125)
|
Keywords | 植物ウイルス / ゲノム解析 / 病原性 / 遺伝子 / ポリメラーゼ / 全身感染 |
Research Abstract |
オオムギにおけるBMVの複製場所がいわゆるピロプラズムにあることが免疫電子顕微鏡観察によって明らかとなった(古澤)。植物体におけるCMVの増殖を低下させる宿主劣性突然変異cum1およびcum2はCMVの細胞間移行あるいは脱外被に影響を与えるという可能性が示唆された(石川)。アブラナ科系CMV-D8はダイコンに容易に全身感染し、CMV-Yは接種葉のみの感染にとどまる。この違いはRNA2とRNA3の両RNAの遺伝情報に支配されることが明らかとなった(高浪)。ニンジンからは、Cryptovirusの他に、二本鎖(ds)RNAも高率に検出される。これらRNAにはRNA依存RNAポリメラーゼをコードされていた(夏秋)。カンキツタタ-リ-フウイルスの全遺伝子の構造を解析し、その感染性転写RNAを合成できる系を確立した(難波)。リンゴクロロティックリーフスポットウイルス(ACLSV)のミツバ潜在系(MO-5)の細胞間移行タンパク質(ORF2)と外被タンパク質(CP)のアミノ酸配列を明らかにした(吉川)。CMV感染によるササゲ葉での壊死斑形成はCMVの2aタンパク質の631番目のアミノ酸Pheを担うヌクレオチド配列にあり、それをTyrに変異させれば、全身感染した(江原)。ムギ類萎縮ウイルス群は、日本/アジアSBWMV亜群、欧米SBWMV/OGSV亜群、SCSV亜群の3亜群に分かれることが明らかとなった(白子)。Tm-2遺伝子座に最も接近していると考えらえる2つのRAPDマーカーを選ぶことができた(本吉)。ジャガイモXウイルス(PVX)感染タバコ培養細胞由来のプロトプラストから膜結合型のウイルスRNA複製複合体を分離できた(細川)。TuMVのHC-Proタンパク質は細胞壁を含む分画から検出されたことから、細胞間移行に関与している可能性が示唆された(佐古)。タバコモザイクウイルスの移行蛋白質のリン酸化部位の特定をおこなった。リン酸化を受けるセリンの残基をアラニンに変異させた移行蛋白質(LQ37A)は機能しないことが分かった(渡辺)。TMVの130K/180Kタンパク質を、それぞれメチルトランスフェラーゼ、、ヘリカーゼ、ポリメラーゼの各ドメインを含む3つの断片として、マルトース結合タンパク質との融合タンパク質の形で、大腸菌に生産させた(日比)。BGMVの各ORFの欠失変異体を作製し、各ORFとウイルスの複製との係わりについて解析した結果、BGMV DNAは外被タンパク質がなくても上葉に移行できるものと思われる(池上)。
|