1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08306019
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Section | 総合 |
Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
豊田 裕 帯広畜産大学, 原虫病分子免疫研究センター, 教授 (90050418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
高橋 迪雄 東京大学, 農学部, 教授 (30011943)
五十嵐 郁男 帯広畜産大学, 原虫病分子免疫研究センター, 助教授 (80159582)
長澤 秀行 帯広畜産大学, 原虫病分子免疫研究センター, 教授 (60172524)
齋藤 篤志 帯広畜産大学, 畜産学部・獣医学科, 教授 (10002263)
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Keywords | 遺伝子改変マウス / マクロファージ / スカベンジャー受容体 / インターフエロン / バベシア原虫 / トキソプラズマ原虫 / ネオスポーラ原虫 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
本年度は、遺伝子改変マウスとしてマクロファージのスカベンジャー受容体欠損マウスおよびガンマ・インターフエロン欠損マウスを用いて、それらの遺伝子背景を高感受性および低感受性近交系に変換する実験を進めるとともに、遺伝子改変マウスを用いて病原体に対する感染防御機構の解析を行った。原虫としては赤血球内に寄生するバベシア原虫(Babesia microti)を主に用いた。 1.遺伝子改変マウスの作製とその遺伝的背景の変換:研究代表者(豊田)が樹立した胚性幹細胞を用いた標的遺伝子組み換え法により、研究分担社によって作製されたマクロファージ・スカベンジャー受容体欠損(鈴木)およびガンマ・インターフエロン欠損(岩倉)マウスを用いて、その遺伝的背景をC57BL/6およびBALB/cに変換するための戻し交配を継続中である(横山)。 2.遺伝子改変マウスを用いた病原体に対する感染防御機構の解析:病原体としてリステリア菌(Lysteria monocytogenes)および単純ヘルペスウイルスを用いて感染防御機構を解析したところ、マクロファージ・スカベンジャー受容体欠損マウスでは、これらの病原体の感染に対する感受性が高まっていることが明らかになった。ガンマ・インターフエロン欠損マウスについては現在検討中である。 3.遺伝子改変マウスを用いて原虫感染実験:バベシア原虫の感染に対する感受性を、腹腔内接種後のマウスの生存率および赤血球内原虫寄生率を指標として検討した結果、ガンマ・インターフエロン欠損マウスでは感受性の著しい上昇を認めた(五十嵐)。トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)(齋藤、小俣)およびネオスポーラ原虫(Neospora canium)(長澤)についても検討中である。 4.遺伝子改変マウスの作製法の改良:新手法としての組み換えアデノウイルスベクターによる遺伝子導入動物作製法を完成させるとともに(豊田)、精巣経由の遺伝子導入動物作製法を開発した(高橋)。 5.研究成果の国際発表:平成9年2月23日から3月1日まで研究代表者がミュンヘン大学(ドイツ)を訪ねて本研究計画に関する情報収集を行い、あわせて本研究成果の一部を講演発表した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tsukui,T.et al.: "Transgenesis by adenovirus-mediated gene transfer into mouse zona-free eggs" Nature Biotechnology. 14・8. 982-985 (1996)
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[Publications] Meno,C.et al.: "Left-right asymmetric expression of the TGF β-family member Lefty in mouse embryos" Nature. 381・6578. 151-155 (1996)
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[Publications] Araki,K.et al.: "Meiotic abnormalities of c-mos knockout mouse oocytes : activation after first meiosis or entrance into third meiotic metaphase" Biology of Reproduction. 55・6. 1315-1324 (1996)
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[Publications] Haraguchi,S.: "Effects of phosphate on the in vitro 2-cell block of AKR/N mouse embryos based on changes in cdc2 kinase activity and phosphorylation" Biology of Reproduction. 55・3. 598-603 (1996)
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[Publications] Suzuki,H.et al.: "A role for macrophage scavenger receptors in atherosclerosis and susceptibility to infection" Nature 印刷中. (1997)
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[Publications] Asano,M.et al.: "Growth relardation and early death of β-1,4-galactosyltransferase knockout mice with augmented proliferat in and abnormal differentiation" EMBO Journal 印刷中. (1997)