1998 Fiscal Year Annual Research Report
画像より見た内耳(前庭蝸牛)神経、及び顔面神経障害の病態に関する研究
Project/Area Number |
08307013
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小松崎 篤 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (50010195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 義明 大阪市立大学, 医学部, 教授 (10046998)
山下 敏雄 関西大学, 医学部, 教授 (10077654)
村田 清高 近畿大学, 医学部, 教授 (60026945)
草刈 潤 筑波大学, 医学部, 教授 (00004705)
青柳 優 山形大学, 医学部, 教授 (40107181)
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Keywords | 顔面神経麻痺 / 聴神経腫瘍 / MRI / CT / CISS法 / 内耳奇形 / 多発性根神経炎 / 感音難聴 |
Research Abstract |
MRIを中心とした画像により、内耳神経および顔面神経の画像上の異常と臨床所見の対比を中心に研究を行った。 1.聴神経腫瘍がその大部分が内耳道内に発生することが知られており、その起源神経は前庭神経のうちでも下前庭神経が約80%を占めていることが手術所見より確認されている。しかし、症例によっては上前庭神起源の腫瘍も存在している。腫瘍の起源神経を知ることは、手術時に顔面神経の保存、あるいは聴力の保存の上で重要である。そのため、近年、利用されている高分解能MRIで起源神経、内耳道あるいは小脳橋角部の所見を参考にして起源神経を同定することが可能かどうかを手術所見と対比して検討を行った。その結果、腫瘍が小脳橋角部に大きく進展している症例では内耳道内も腫瘍で充満しており、起源神経の同定は困難であるが、内耳道内に現局している症例では起源神経の同定が可能なことが示された。(小松崎、大友、植村、中井) 2.ベル麻痺、ハント症候群、その他の疾患により発症する顔面神経麻痺の部位診断の可能性について研究した。これら顔面神経麻痺の病巣局在診断は、従米は随伴する神経学的所見との対比で行われるのが一般的であるが、近年のMRIを中心とした画像による病巣局在診断の可能性につき検討した。その結果、側頭骨外での顔面神経麻痺では、顔面神経の走行を追及することにより従来の局在診断と対比して、その病変部位の推定が可能であることが判明した。(山下、青柳、田代、村田) 3.メニエール病およびその類似疾患と前庭水管との関係について検討した。すなわち、メニエール病症例では前庭水管の発育が他のめまい症例に比しての傾向があり、未だ明確でないメニエール病の発症要因の一つと推定された。(草刈)
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 原 晃他: "聴神経腫瘍診断の経緯とcost-effectiveness" Otology Japan. 8. 1-5 (1998)
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[Publications] 宮下仁良他: "内耳奇形の3次元CT所見-聴力を中心に" 耳鼻咽喉科臨床. 91・9. 883-888 (1998)
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[Publications] M Kusuki et al: "Changes in destrtion product otoacoustic mission from cars with meniere's desease." acta Otolaryngol Suppl. 538. 78-89 (1998)
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[Publications] 那須 隆: "急性感音難聴で発症した脳幹梗塞の1例" Equilibrium Research. 57・3. 289-296 (1998)