1998 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌再建症例の術後機能に関する研究-評価の基準化とそれに基づく多施設による調査-
Project/Area Number |
08307016
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
道 健一 昭和大学, 歯学部第1口腔外科, 教授 (40013891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 智子 昭和大学, 歯学部第1口腔外科, 講師 (60260907)
高橋 浩二 昭和大学, 歯学部第1口腔外科, 講師 (40197140)
道脇 幸博 昭和大学, 歯学部第1口腔外科, 講師 (40157540)
大野 康亮 昭和大学, 歯学部第1口腔外科, 助教授 (30112725)
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Keywords | 口腔癌 / 再建症例 / 術後機能 / 言語機能障害 / 咀嚼機能障害 / 嚥下機能障害 / 共通の評価基準 / 多施設共同研究 |
Research Abstract |
本研究の結果、以下の成果が得られた。 1. 術後機能に関する共通の評価基準の作成 本研究のために共通の評価基準を作成した。本評価基準の他に、背景因子、口腔機能検査マニュアルなどを含むプロトコールと患者に対するアンケート用紙を作成した 2. 術後機能の調査と調査資料の解析 1) 対象症例の解析:対象症例は98例で、切除部位別では舌・口底切除が最多であり、flap別では筋皮弁より皮弁の方が多く、大半が前腕皮弁であった。 2) 術後機能の成績 (1) 言語機能:側方型の発語、会話明瞭度およびアンケート調査の結果をみると、舌部切、舌可動部半切、舌半切では、皮弁の方が筋皮弁と比較して良い成績を示した。 (2) 咀嚼機能:舌切除例の客観的評価では、舌半切のガム法の結果を除いて、皮弁の方が筋皮弁よりも高い値を示した。アンケートの結果では、舌半切までは切除の範囲が増すとともに障害も大きくなる結果であった。 (3) 嚥下機能:舌可動部半切までは筋皮弁よりも皮弁の方が、また半切では皮弁よりも筋皮弁の方がそれぞれ嚥下機能には有利に働いていると考えられる結果であった。 以上の結果より、舌切除例(舌部切〜舌半切例)においては切除範囲、再建法と術後機能との関連性を明らかにすることができた。なお、舌の切除範囲が大きい場合、その他の切除部位では症例の数が十分とは言えず、データの集積と今後の研究が必要と考えられた
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