1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08308008
|
Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
牟田 博光 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (70090925)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前迫 孝憲 大阪大学, 人間科学部, 教授 (00114893)
星野 敦子 十文字女子大, 社会情報学部, 助教授 (40225793)
屋敷 和佳 国立教育研究所, 教育政策研究部, 室長 (70150026)
齊藤 貴浩 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (50302972)
中川 正宣 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (40155685)
|
Keywords | 人材養成 / 職業教育 / 企業内教育 / 大学評価 / 科学技術教育 |
Research Abstract |
前年度に行った全国の企業3,000社に対する実態調査の回答結果を基に、企業内教育の実態と、企業規模、業種等の違いや昨今の企業を取り巻く環境の変化が、企業内教育に与える影響とを明らかにした。 まず、一人あたり年間企業内教育費推定の内訳から、依然としてOJTをベースとした企業内教育が盛んであることが明らかになった。直接費用を業種別に見ると、環境変化の激しい情報産業が多く、製造業、サービス業が少ない。そこでパス解析を行い、一人あたり企業内教育費(直接費用)と社会環境との関係を明らかにした。その結果、情報産業であることと、教育を重視する企業であることが強く影響を与える要因であった。また、教育を重視する企業には、情報化、技術革新、従業員数増加が影響を与えていることが明らかになった。従業員数増加の要因に関しては、従業員数が少ないこと、新しい企業であることが強く影響を与えており、発展している企業と解釈される。また、情報化には国際化と技術革新が、その技術革新には市場競争化と専門性とが強い影響を与える要因であった。このような技術革新や情報化に直面するのは理工系人材だけではないが、その割合は高いと考えられる。理工系人材は、社会環境の変化を常に受けつつ、企業内教育によって継続的に自らの知識・技術を高めながら職業に従事しているという構図が考えられる。 今後、情報化、技術革新が進展すれば、企業は教育を重視する方向により一層進むと考えられる。情報教育や将来を見据えた人材育成、さらには組織のスリム化により、OJTで扱ってきたこともOff-JTへと移行することが予測される。教育機関修了後、理工系人材が労働市場に新規参入するためには、職業的知識技術の準備、すなわち企業内教育でどの程度生産性が向上するかという訓練可能性がとりわけ重要になってくる。したがって、学校での授業方法改善が今以上に必要となると考えられる。
|