1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08308023
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
黒川 隆夫 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (00029539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 雄士 筑波技術短期大学, 客員研究員 (50224548)
大沼 直紀 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター, 教授 (20169022)
市川 熹 千葉大学, 工学部, 教授 (80241933)
長嶋 祐二 工学院大学, 工学部, 助教授 (50138137)
神田 和幸 中京大学, 教養部, 教授 (70132123)
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Keywords | 日本手話 / 手話電子化辞書 / 手話データベース / 手話・日本語間相互翻訳 / 手話記述 / 手話単語のラベリング / 手話画像 / 手話の時空間特性 |
Research Abstract |
本研究は日本手話の言語学的研究,工学的研究に必要となる手話辞書構築に必要な基礎的技術の確立と研究者間での共有化を目的として行ったものである.本研究では手話の言語学的研究と電子化辞書に関連する技術に関する研究を行いつつ,手話研究において試験的に運用可能な手話辞書の構築を試みた.なお以上の研究を効率的に進めるため5つの分科会を設けた. 1.分科会A 日本手話の言語学的記述方法とその辞書化の研究 手話辞書に必要な手話表記法を確立した.また語彙選定,語形選定を行って手話電子化辞書の原型となるサインッデックスV.1を作成した. 2.分科会B 日本手話の画像データの収集,蓄積と検索方法の研究 手話を画像データとして収録するための技術的問題を検討し,ハードウェア仕様,録画に際してのマニュアルをまとめた.またこれらの標準手法を採用して手話画像の録画を行い,結果を画像データベースコサインVer.2にまとめた. 3.分科会C 日本手話の時間的,空間的観測採取とデータベース化の研究 手話の言語的構造の解明に必要な手指動作と非手指動作を観測する方法を確立した.これらは(2)の手話画像データの収集に利用した. 4.分科会D 教育分野における応用に関する研究 聴覚障害者の教育における聴覚手話法の可能性について検討した.異なる感覚系を同時に働かせるにはレベル合わせが必要であるが,手話と韻律の同期性が強いので,障害児の発達に応じて言語モードを組み合わせれば聴覚手話法は十分に確立できると結論した. 5.分科会E データベースの共同利用方式と管理方式に関する研究 手話データの表現形式,データベースの登録制度,インフォーマントのプライバシー保護,知的所有権等について検討し,手話データベース登録制を確立した.さらにインフォーマントにデータ公開の許諾を得る方法を考え,試行を行った.
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Research Products
(27 results)
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[Publications] 亀井 了: "インターネットを介した手話アニメーション伝送に関する検討" 電子情報通信学会技術報告. HIP96-16. 87-92 (1996)
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[Publications] 池田尚司: "三次元CGを用いた手話アニメーション編集ツール" 画像ラボ. 7. 15-18 (1996)
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[Publications] 河野純大: "ニュース手話通訳における瞬き,凝視,頷きとそれらの意味の分析" Human Interface News and Report. 11・4. 435-440 (1996)
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[Publications] 黒川隆夫: "メディアとしての人体とそのCG表現" 医用画像情報学会雑誌. 13・3. 90-102 (1996)
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[Publications] 神田和幸: "サインデックス試案--手話のラベリング化の概念--" 電子情報通信学会技術報告. ET96-82. 47-52 (1996)
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[Publications] 神田和幸: "サインデックス試案--サインデックスによる語彙のデータベース化--" 電子情報通信学会技術報告. ET96-83. 53-58 (1996)
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[Publications] 寺内美奈: "手話学習支援システムにおける学習管理" 電子情報通信学会技術報告. ET96-84. 59-64 (1996)
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[Publications] 黒田知宏: "手話伝送システムS-TEL" 電子情報通信学会技術報告. ET96-85. 65-71 (1996)
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[Publications] 長嶋祐二: "形態情報駆動型手話アニメーションシステム" 電子情報通信学会技術報告. ET96-86. 73-78 (1996)
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[Publications] Sagawa,H: "Pattern Recognition and Synthesis for a Sign Language Translation System" Journal of Visual Languages and Computing. 7. 109-127 (1996)
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[Publications] 新谷明彦: "ニューラルネットワークによる手指調動の認識" 電子情報通信学会技術報告. HIP96-25. 65-71 (1997)
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[Publications] 市川 熹: "聴覚障害とコンピュータ技術" ノーマライゼーション. 2. 17-18 (1997)
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[Publications] 加藤雄士: "手話工学の現状と将来の研究課題" Human Interface News and Report. 12・1. 37-44 (1997)
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[Publications] 藤重栄一: "意味ネットワークを媒介とする日本語・手話翻訳のための日本語の処理" Human Interface News and Report. 12・1. 45-50 (1997)
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[Publications] 亀井 了: "手話対話における視線情報解析に関する基礎的検討" Human Interface News and Report. 12・1. 51-54 (1997)
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[Publications] 西田昌生: "HMMを用いた手話の調動認識" Human Interface News and Report. 12・1. 55-58 (1997)
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[Publications] Kurokawa,T.: "Synthesis of Facial Movement Images for Sign Language Animation and Their Effects" Research Report of Cooperative Research Center,KIT. 6. 17-22 (1997)
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[Publications] 黒川隆夫: "手話ニュースにおける通訳者の瞬き,凝視,うなずき,頭部運動の分析とそれらの生起規則" 京都工芸繊維大学地域共同研究センター研究成果報告書. 6. 9-16 (1997)
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[Publications] 神田和幸: "手話共通データSigndexの概念とその実例" 電子情報通信学会技術報告. NLC96-66. 75-80 (1997)
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[Publications] 黒田知宏: "手話伝送システムS-TELの手話CGの視認性に関する研究" 手話学研究. 14・1. 1-11 (1997)
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[Publications] 鳥越隆士: "手話でいかに会話が進行するか-発話交替における発話の重なりを中心に-" 手話学研究. 14・1. 13-20 (1997)
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[Publications] Kuroda,T.: "S-TEL:VR-based Sign Language Telecommunication System" Advanced in Human Factors/Ergonomics. 21. 1-4 (1997)
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[Publications] Kurokawa,T.: "Synthesis of facial movement images for sign language animation and their effects" Advances in Human Factors/Ergonomics. 21. 5-8 (1997)
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[Publications] Kanda,K.: "A proposal of the Standerd Labelling for JSL:Signdex V.1" HCI International97. 15 (1997)
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[Publications] 河野純大: "手話画像への顔面運動の導入とその効果" Human Interface News and Report. 12・3. 357-362 (1997)
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[Publications] 今川和幸: "顔によるオクルージョンを考慮した手話動画像からの実時間掌追跡" 電子情報通信学会技術報告. PRMU97-106. 15-22 (1997)
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[Publications] 亀井 了: "手話電子化辞書によるインターネット上のコミュニケーションに関する基礎的検討" 電子情報通信学会技術報告. ET97-80. 67-70 (1997)