1996 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム動態から見た環境変動が陸域生態系に及ぼす影響の予測
Project/Area Number |
08308030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 総合 |
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小島 覚 富山大学, 理学部, 教授 (80115138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 冬樹 北海道大学, 農学部, 助教授 (20187230)
武田 博清 京都大学, 農学部, 助教授 (60109048)
福島 義宏 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (00026402)
及川 武久 筑波大学, 生物科学系, 教授 (70011682)
木田 秀次 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60252417)
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Keywords | カルシウム / 物質循環 / 生態系 / 温帯落葉樹林 / 環境変動 / 植生・土壌系 / 生態系モデル / 変化予測 |
Research Abstract |
平成8年10月に、本科学研究費補助金交付の通知を受け、急遽、研究実施体制を作り研究を開始した。本研究は、生態系内におけるカルシウム循環のパターンを解析し,それに基づいて生態系構成要素間の相互作用の関係を明らかにすることを目的としている。そのため、生物活動の最も活発な時期に野外調査を通して資料を収集し研究を行うのが望ましい。したがって平成8年度は主として現場の下見、機器の整備、文献研究、研究体制の整備等を主たる目的として研究を行った。平成8年11月に研究対象候補地の一つとして、長野県佐久郡川上村にある筑波大学川上演習林を訪ね、研究サイトとしての適応について検討を行った。機器の整備については、柳木製の炭素窒素自動分析装置(富山大学理学部)、日立製冷却遠心器(京都大学農学部)を購入した。また、平成9年1月23-24日にわたり、富山大学理学部において研究集会を開催、本研究に参加する研究者10名のうち9名が出席、研究内容について発表するとともに、平成9年度の研究計画について討議を行った。その結果、土地的環境条件の相違に伴う生態系の分化様式および既存データの利用という点から、京都大学芦生演習林が研究サイトとして適当であるとの結論に至った。また本研究の実施するにあたり最も留意すべき点は学際的連携で、異分野の研究者が可能な限り同一地域において共同作業的に研究を行う必要があるとが指摘された。平成9年3月6日-10日にかけて、代表者小島はカナダ、ブリテイッシュ・コロンビア大学林学部のクリンカ(K.Klinka)教授を訪ね、本研究についてのレビューを求めた。また同学部のキミンズ(H.P.Kimmins)教授には本研究の外部相談役(external adviser)としての協力を約束いただいた。平成9年度においては、芦生演習林を主たる研究フィールドとして、気象、水文、地質、地形、植生、土壌、土壌動物等の研究者が同じ時期同じ場所において、相互に交流しながら研究を実施する予定である。さらに、これらの解析結果を最終的には、生態系の包括的モデルにより統合することを目指している。
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