1996 Fiscal Year Annual Research Report
1原子・1分子レベルの解析と操作による細胞膜機能の解明
Project/Area Number |
08308037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 総合 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
楠見 明弘 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50169992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 守 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (90090472)
木下 一彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30124366)
曽我部 正博 名古屋大学, 医学部, 教授 (10093428)
葛西 道生 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (40022595)
安藤 敏夫 金沢大学, 理学部, 助教授 (50184320)
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Keywords | 細胞膜 / 膜骨格 / 細胞骨格 / 1分子 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
細胞膜のグローバルな構造形成と機能の研究が、ようやく、本格的に始まろうとしている。このためには、従来の膜に関するアプローチだけでは不十分であり、膜骨格/細胞骨格との相互作用を常に視点にいれておくことが必要である。しかし、最近までは、技術的問題のため、膜タンパク質・脂質と膜骨格/細胞骨格との相互作用を直接的に調べることは困難であった。ところが、顕微鏡下で、機能している1分子、生細胞内での1分子を見て操作する技法の最近の進展は著しく、細胞膜と細胞骨格の相互作用が直接的に1分子のレベルで調べられるようになってきた。 本研究では、このような研究の発展段階に鑑み、細胞膜研究のエクスパートに、細胞骨格系の研究者と、1分子直視・操作の方法を開発している研究者を加えて、「膜タンパク質・脂質と膜骨格/細胞骨格との相互作用を直接に調べ、細胞膜のグローバルな構造形成と機能発現の機構を解明する」、という課題に答えられる新しい研究の方法と戦略を創出することを目指した。そのために、異分野の研究者によるパイオニア的共同実験と討論を実行し、1分子直視・操作の技術のさらなる開発と細胞膜系への応用法の開発を推進した。さらに、実際に、細胞膜でのドメイン構造形成の機構などを解明するための研究をおこなった。 分子間相互作用は、究極的には、1原子のレベルで議論する必要がある。従って、1原子レベルでの、膜分子間、及び、膜分子と膜表在性タンパク質との相互作用のパイオニア的研究もおこなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Wisniewska: "Depth dependence of the perturbing effect of placing a bulky group(oxazolidine ring spin labels)in the membrane on the membrane phase" Biochim.Biophys.Acta. 1278. 68-72 (1996)
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[Publications] H.Muramatsu: "Scanning near-field optic/atomic force microscopy in liquids" Thin Solid Films. 273. 337-338 (1996)
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[Publications] H.Muramatsu: "Development of near-field optic/atomic-force microscope for biological materials in aqueous solutions." Ultramicroscopy. 61. 265-269 (1996)
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[Publications] A.Kusumi: "Cell surface organization by the membrane skeleton." Curr.Opinion Cell Biol.8. 566-574 (1996)