1996 Fiscal Year Annual Research Report
極冠域における大気圏・電磁気圏間のエネルギーと物質輸送
Project/Area Number |
08354007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
國分 征 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (00011502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野澤 悟徳 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (60212130)
藤井 良一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (00132712)
上出 洋介 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60113099)
小川 忠彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60271607)
岩坂 泰信 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (20022709)
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Keywords | 極冠域 / 物質輸送 / ダイナミクス / ISレーダー / 国際協同 / 電磁気圏 / 大気圏 / プラズマ流出 |
Research Abstract |
本課題の目的は「極冠域における大気圏・電磁気圏間のエネルギーと物質輸送」の重点領域研究化に向けて、広く関連する研究者、研究機関間で調査・検討を行ない、具体的な計画立案を行うことにあった。従来未探査の極冠域は太陽風エネルギーが地球環境に直接流入する領域で、太陽風・電磁気圏結合の様相や更に下層の大気圏との関連を調べる上で極めて重要であると共に、極冠電離圏は磁気圏プラズマの重要な供給源の可能性があることから、地球周辺環境の形成面からも重要である。本課題では広範な領域の研究者による検討会議を6月27日と9月24日に開催し、多角的な検討を行い研究対象と意義をしぼり込むを行った。最初に研究者から上記課題に関わる様々な研究課題を提案してもらい検討を行った。本研究課題が多くの領域、物理化学現象を包含するためややもすると網羅的になり、焦点がぼやける傾向があるため、研究課題のしぼり込み作業を行った。その結果、極冠域をエネルギー・物質から見て開放系であること、入力エネルギーの変動幅が非常に大きくなりうること、太陽風から大気までの結合が非常に強い領域であると位置付け、物質循環とダイナミクスの両面から重点的に研究することとした。物質循環としては電離圏プラズマの宇宙空間への流出を中心に、ダイナミクスとしては熱圏循環や電磁気圏エレクトロダイナミクスを中心とすることにした。また、本研究が可能になった背景、緊急性として、近年総合的な観測・研究を実施できる環境が整いつつあること(極冠域における国際協同や多様なリモートセンシング技術(スヴァールバルISレーダー、ファブリペロ-干渉計測等)が可能である)、今後数年間、太陽風、電磁気圏全域において、過去、将来も含め最も完備した飛翔体による直接観測ができる最適の機会である点を強調することにした。これらを基に班を構成して具体的な計画案を作成した。
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