1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08401007
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
内須川 洸 昭和女子大学, 文学部, 教授 (60014669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早坂 菊子 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (70198828)
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Keywords | 吃音の発生予防 / U仮説 / 発吃 / 吃音児 / 類型的診断 / 親子吃音関係診断テスト / 親子言語関係診断テスト / 自然治療 |
Research Abstract |
平成8年度〜11年度に至る4年間の研究計画では,全国4カ所に拠点を設けてコンピュータを設置し,各拠点で収集した臨床データを分析検討する予定であったが,資金面及び研究並び資料収集スタッフの両面に於いて困難なことが判明したので,研究計画を縮小して昭和女子大学内須川研究室と筑波大学早坂研究室の2拠点にコンピュータを設置し,スタッフ相互に研究体制が漸く完成した。当面モデル研究を推進することになった。 しかし予想以上につぎの点に難関があった。資料の収集の困難の問題である:「吃音の発生予防研究」では,吃音に進展の予想される症例入手が必須にも拘わらず事実上極めて困難である。吃音には現在まで"自然治癒"現象が約40-45%存在し,そのメカニズムも不明のままである。また,吃音児の第1発見者である"母親"自身が吃音への意識も予期もなく,吃音進展が或程度増悪化して初めて専門機関を訪れる状況である。従って如何にして,将来吃音へと進展する吃音予備症例を何処で発見するかの課題が重要である。吃音の発生が幼児期(3〜4・5歳代)にあることは確認ずみなので,どのような方法で,どこで把握すかに係っている。 現在までの研究で以下の諸点が判明した。1)わが国の有用な乳幼児検診制度を活用して,3歳検診時に大幅な言語調査を実施して,臨床例を収集した結果,筑波地区で約2000例(正常児,吃音児,疑似吃音児群)の分析から研究の方向性が見えてきたこと。但し,これには莫大な日数と経費を必要とするであろうこと。2)筆者が考案した"U仮説"が吃音発生予防研究に有効と予想されること。 今後の研究課題は,U仮説の最も軽度の類型「U-1;A-1」に該当する症例を例え少数例でも発見確保して.縦断研究によって「吃音進展過程」のメカニズムを立証しなければならない。その緒についた段階と考えられる。
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