東アジア経済の動態と構造に関する実証研究-企業連携・産業動態・地域協力の総合的把握

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08403002
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
• Research Institution: Nagoya University
• Principal Investigator: 村岡 輝三 名古屋大学, 経済学部, 教授 (60089977)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 嘉数 啓 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (30044845) ; 櫻井 克彦 名古屋大学, 経済学部, 教授 (30022461) ; 牧戸 孝郎 名古屋大学, 経済学部, 教授 (60022464) ; 大橋 勇雄 名古屋大学, 経済学部, 教授 (40094362) ; 千田 純一 名古屋大学, 経済学部, 教授 (80022458)
• Keywords: 国際経営戦略 / 企業連携 / 資本・労働力の国際移動 / 産業の空洞化 / 地域主義 / 局地市場圏 / ASEAN・APEC

Research Abstract

1.本研究計画は三つのリサーチグループ、すなわち「企業連携」「産業動態」「地域協力」の連携的研究を基本とし、各グループが各自の専門性と特色を重んじて専攻課題に取り組んできた。まず、連携的研究においては、毎月1回の共同研究会の開催を原則に、ヒヤリング、意見交換、討論を通じてパラダイムや枠組みの共有化を図り、研究成果の向上に努めた。研究の基本方向として各グループの共通認識がほぼ固まり、それはつぎの通りである。(1)「企業連携」グループでは企業戦略としての「国際調達」の把握である。つまり、グローバル時代に対応する企業戦略の「国際調達」をキーワードに企業連携の実態解明と吟味が課題とされ、それを東南アジアにおいて体系的に検証することである。(2)「産業動態」グループではマクロレベルの「国際化」の再吟味と新たなパラダイムの構築である。つまり、資本と労働の国際移動が日本の産業・金融・為替、技術移転・経済成長の各分野に与えるインパクトを再吟味し、それと併せて東アジア各国の経済パフォーマンスを検証し、両者間の相関関係とその意味を措定することである。(3)「地域協力」グループでは地域主義の発達とその多様性の把握である。つまり、国民経済単位の多国間地域協力スキーム(ASEAN、APEC)に着眼しつつも、一方では地方自治体による国際分業への直接参与、例えば、GTZ(成長の三角地帯)、「環日本海圏」、「バ-ツ圏」の形成にも射程内に収める枠組みの構築と論理の体系化が課題とされる。沖縄の局地市場圏構想がここで取り上げられる。
2.以上の予備的研究の成果を確認しつつ各分担者は第2(平成9)年度において具体的研究成果を挙げることに努めることにしている。

Research Products

• [Publications] 〓照彦(村岡): "中台関係-変容する東アジアの「焦点」-" 世界経済評論. 39・12. 18-25 (1995)
• [Publications] 〓照彦(村岡): "東アジアの経済発展とビジネス文化-台湾・日本の企業経営比較-" 経済科学. 42・3. 1-26 (1995)
• [Publications] 〓照彦(村岡): "台湾企業からみた日台関係" Business Review. 44・3. 1-17 (1997)
• [Publications] 千田純一: "途上国の経済発展と金利政策について" 彦根論叢. 229号. 25-42 (1996)
• [Publications] 家森信善: "Are Banks Leaders or Followers of International Bisiness ? Recent Experiences of Japanese Banks" Economic Research Center Discussion Paper. 95号. 1-43 (1996)
• [Publications] 小井川広志: "The Economic Impact of the Japanese Yen Appreciation on Its Neighbour Countries : An Application of the Input-Output Model." 名古屋学院大学外国語学部論集. 8・2. 1-18 (1997)
• [Publications] 小井川広志: "中部圏中小中堅企業の円高対応" 名古屋学院大学論集. 33・1. 1-25 (1997)
• [Publications] KAKAZU,HIROSHI: "Growth Triangles in ASEAN-A New Approach to Regional Couperation-" Regional Development Studies.vol.4. (1997)
• [Publications] 〓照彦: "先端技術と人間環境" 筑波大学TARAセンター, 312 (1996)
• [Publications] 〓照彦: "日本外交の課題と選択" 武者小路公秀編 大阪経済法科大学出版部, 486 (1996)
• [Publications] 〓照彦: "日中比較近代化論" 山田、中井編 晃洋書房, 214 (1996)
• [Publications] 〓照彦: "APEC時代を迎えた「環日本海圏」" 小川洋司編 環日本海叢書4 有信堂, 213 (1996)
• [Publications] 〓照彦: "日本的経営・生産システムと東アジア" 板垣博編 ミネルヴァ書房, 305 (1997)
• [Publications] 〓照彦: "東アジアの産業発展-日本と韓国のダイナミズムを探る" 〓・曹編 名古屋大学経済学部附属国際産業動態研究センター, 180 (1997)
• [Publications] 〓照彦: "New Frontiers for Regional Economies" Toshie Habu and John Evan Flockhart eds.,School of Social and International Studies,The University of Sunderland., 253 (1996)