1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08404007
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西田 孝明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70026110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩塚 明 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (40184890)
梅田 亨 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00176728)
大鍛治 隆司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20160426)
神保 道夫 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80109082)
谷口 雅彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50108974)
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Keywords | 非線形偏微分方程式系 / 解空間の構造 / 分岐理論 / 作用素論 / 量子力学の方程式系 / 可解格子模型 / 解の特異性の伝播 / 表現論 |
Research Abstract |
数理科学の常・偏微分方程式系の解及び解空間の構造の研究が目的であり、殊にパラメーターに依存したその構造の変化の解析が主眼である。この方向に沿って、以下の研究を行った。 1。量子力学の方程式系:(1)スペクトルがバンド構造をもつようなモデルに対して、電場を摂動として加えたとき、スペクトルの間隙に離散的固有値が現れる。その漸近分布を調べた。(2)時間に依存する電磁場を持つDirac方程式の散乱作用素からもとのポテンシャルを再構成する逆散乱問題について研究した。2。流体方程式系:圧縮性粘性流体の熱対流問題を考察した。圧縮性のために平衡解、従ってその周りでの線形化方程式系も複雑になり解析的理論は極めて限られていた。Rayleigh数が小さい時の線形安定性及び線形作用素の楔性が示せた。更に固有値・固有関数の計算を行い、不安定性を起すパラメーターの値の特定を行うと共に、平面の間隔が小さくなった極限でのBoussinesq近似へのその漸近性等を得た。分岐を証明するには、質量保存を記述する方程式の非線形性が高く、分岐理論の拡張が必要である。3。可解格子模型・量子群:頂点作用素による格子模型の研究を進め、ヤン・バクスター方程式の楕円関数解に付随する量子群を定義した。Fronsdalは、楕円型量子群を通常のアフィン量子群と代数としては同じものであって、twistorと呼ばれる元で‘ゲージ変換'された余積を持つ準Hopf代数として理解するというideaを提唱した。このようなtwistorを、普遍R行列の無限積の形で構成した。これによってvertex型・face型の楕円型量子群の存在が統一的に確立された。4。解の特異性の伝搬:偏微分方程式の解の特性の伝播の研究を行った。特に時間依存型Schrodinger方程式の初期値問題に対する解の特異性の伝播および解の平滑化効果について考察した。波束やFBI変換等の超局所解析を用いた証明方法を考案し、現在それを用いてより詳細な解の特異性の構造を明らかにしつつある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nishida Takaaki: "Heat convection of compressible fluids" Kyoto Univ.RIMS Kokyuroku. 989. 169-179 (1997)
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[Publications] Taniguhi Masahiko: "On Teichmueller spaces of complex dynamics by entire functions" Bull.HongKong Math.Soc.1. 257-266 (1997)
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[Publications] Jimbo Michio: "Massless XXZ model and degeneration of the elliptic algebra" Math.Physics Studies,Kluwer. 20. 117-138 (1997)
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[Publications] Iwatsuka Akira: "Asymptotic distribution of eigenvalues for Pauli op's with nonconstant magnetic fields" Duke Math.J.(to appear). (1998)
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[Publications] Ohkaji Takashi: "Uniqueness of the Cauchy problem for elliptic op's with fourfold characteristics of const.multiplicity" Comm.Part.Diff.Equations. 22. 269-305 (1997)
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[Publications] Umeda Toru: "Another look at the differential operators on quantum matric space and its applications" Comment.Math.Univ.Sancti Pauli. (to appear). (1998)