1996 Fiscal Year Annual Research Report
サブミリ波一酸化炭素輝線による銀河系内量間ガスの探査
Project/Area Number |
08404009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 哲夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50134630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 卓 国立天文台電波天文学研究系, 助教授 (90237826)
半田 利弘 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40202270)
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Keywords | 天体物理学 / 電波天文学 / 星間物質 / サブミリ波 / 天の川銀河 |
Research Abstract |
本研究の目的は以下の3点である。 1.これまで観測してきたCOJ=2-1(230GHz)輝線の観測の感度を飛躍的に向上することに加えて、J=3-2(345GHz)輝線の観測をも可能にする、デュアル・チャンネルのSIS受信機フロントエンドを開発・製作し、 2.それを、チリにて運用中の現有の60cmサブミリ波望遠鏡2号機に搭載して、南の天の川、銀河系中心、および大マゼラン雲を観測し、 3.そのデータに基づいて、銀河系内の場所ごとの分子ガスの物理状態のよりクリア-な描像を得るとともに、銀河におけるローカルな星形成史と星間物質の状態そして未来の星形成とそれによる銀河の進化の問題に、分子雲レベルの観測に基づく実証的な光を当てる。 初年度である平成8年度は、主に観測装置の開発・製作を行った。主な項目は以下のようであった。 ●受信機フロントエンドの製作 新型のSISミクサ-を採用した、230GHzと345GHzの二つの周波数の観測が可能な受信機フロントエンドを設計し、その230GHz部分を製作して実験を開始した。主要な設備備品として、4K閉サイクル冷凍機クライオスタット導入した。また、350GHz帯局部発振器系を整備した。 ◯入力光学系の設計・製作(長谷川が担当) ◯ミクサ-素子およびミクサーマウントの開発・製作(野口が担当) ◯クライオスタットの設計・製作および全体の組立・調整(長谷川、野口が担当) ●観測データ処理・解析システムの増強 観測データの取得スピードが飛躍的に向上する(10倍以上)のに合わせて、観測データの評価の自動化を軸とする処理システムの増強を進めた。そのために、データ格納および作業用固定ディスク記憶装置を購入した。(半田が担当)
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Oka,T.Hasegawa et al.: "CO(J=2-1)Line Observations of the Galactic Center Moleculor Cloud Complex.I.On-Plone Structure" Astrophys.J.460. 334-342 (1996)
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[Publications] T.Hasegawa: "The CO 2-1/1-0 Ratio" in“CO:Twenty-five Years of Millimeter-Wave Spcctroscopy",Proc.IAU Symposiam. 170. 39-46 (1996)
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[Publications] M.Inoue et al.: "Millimeter-Wave CO and Neor Infrored H2 Emission at the Center of cD/Seyfert Galaxy NGC 1275" Astron.J.111. 1852-1860 (1996)
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[Publications] T.Hasegawa et al.: "The CO 2-1/1-0 Ratio in the Southern Milky Way and the Large Mogellanic Cloud" in“Diffuse Infrared Radiation and the IRTS",ASP Conf.Ser.(印刷中). (1997)
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[Publications] S.Sakamoto,T.Hasegawa et al.: "An Extensive High-Resolution 12CO Imaging of L1641 in Orion" Astrophys.J.(印刷中). (1997)
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[Publications] T.Oka,T.Hasegawa,et al.: "CO(J=2-1)Line Observations of the Golactic Center Moleculor Cloud Complex.II.Dynamical Structure and Physical Conditions" Astrophys.J.(印刷中). (1997)