1998 Fiscal Year Annual Research Report
サブミリ波一酸化炭素輝線による銀河系内星間ガスの探査
Project/Area Number |
08404009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 哲夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50134630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 卓 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (90237826)
半田 利弘 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40202270)
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Keywords | 電波天文学 / サブミリ波 / 星間物質 / 天の川銀河 |
Research Abstract |
本年度は、これまでに取得した観測データの整理・解析とその出版、および345GHz受信機の最終調整を行った。 これまでに野辺山の60cm望遠鏡1号機およびチリの60cm望遠鏡2号機を用いて取得したデータをまとめ、分子学の物理状態の観点から見た銀河系の全体像を構築して発表した。その成果は7編の論文にまとめられた(一部投稿中、投稿準備中のものを含む)。また、9月にスイスで行われた国際研究集会に招待されて研究発表を行った。 特に銀河系中心部の分子ガス雲の特異な性質が明らかにされた。CO輝線強度比は、銀河系円盤部に比べて明確かつ不連続に高い。他方、高分解能観測からは、分子ガス中に多数のシェル状構造が見いだされ、またCS輝線が広く検出されることより高密度ガスの体積占有度も高い。 受信機の改良を引き続き行った。特にSISミクサー素子の最適動作点付近で負性抵抗が発生し、安定にバイアス電流が流せない問題に取り組み、ミクサーブロックの改良、バイアス回路の改良、印可磁場強度の最適化により克服した。このことと、入力光学系の再調整(一部ミラーの作り直しを含む)により、受信機の総合雑音温度を半分以下に低減することに成功した。 なお、本年度に予定していた、受信機のチリへの移送とそれによるサブミリ波輝線観測は、輸送準備の段階で受信機冷凍機部分にトラブルが発見され、その点検・修理に時間がかかったため、年度内に実行することができなかった。平成11年度に実行する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A, Luna.et al.: "CO (J=2-1) in-plane Survey of the 4-the Galactic Quadrant." IX Latin American Regional IAU Meeting in Revista Mexicana de Asfronomia y Astrofisica. (印刷中). (1999)
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[Publications] M.Scta et al.: "Enhanced CO J=2-1/1-0 Ratio as a Marker of Supernova.Remnant-Molecular Cloud Interactions : The Cales of W44 and IC443" Astrophysical Journal. 505. 286-298 (1998)
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[Publications] T.Oka, et al.: "CO (J=2-1) Line Observations of the Galactic Center Molecular Clond Comprex. II. Dynamical Structure" Astrophysical Journal. 493. 730-761 (1998)
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[Publications] J.-I.Morino, et al.: "Reflected infrared spect rum of a massive protoster in Orion" Nature. 393. 340-342 (1998)
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[Publications] M.Tsuboi, T.Handa, N.Ukita: "Dense Molecular Clonds in the Galactic Center Region. I.Observations and the Data." (印刷中). 1999.
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[Publications] T.Noguchi & S.-C.Shi: "Superconducting heterodyne receivers" Handbook of Applied Superconductivity. 1899-1912 (1998)