1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08404016
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
遠藤 一太 広島大学, 理学部, 教授 (90033894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 公徳 広島大学, 放射光科学研究センター, 教務員 (30284227)
吉田 勝英 広島大学, 放射光科学研究センター, 教授 (90029489)
高橋 徹 広島大学, 理学部, 助手 (50253050)
堀口 隆良 広島大学, 理学部, 助教授 (40033899)
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Keywords | ポジトロニウム / チャネリング / 量子電磁力学 / 対創成 |
Research Abstract |
本研究では、単結晶中でのコヒーレントな対創成過程を利用して、パラポジトロニウムビームをつくり、寿命測定実験をおこなう。本年度は,装置の整備と理論的検討を以下のようにおこなった。 1.実験の主要手段となる電子ビーム系整備の一貫として,電子収束装置を設計設置した。この装置は年度末に製造が完了し,今後テストがおこなわれる。一方,電子周回装置周辺の放射線レベル測定を行い,測定器の被るバックグラウンドを評価した。それに基づき,検出器周辺の放射線シールドを整備した。 2.データ取得ソフトウェア開発および電子陽電子検出用シンチレーションカウンタの製作をおこなった。これらは高エネルギー加速器研究機構(KEK)田無分室の電子シンクロトロンを用いたテスト実験で性能を評価した。 3.昨年度におこなった結果からのポジトロン生成実験データの解析をさらにすすめた。その結果はPhysical Review Letters誌に掲載されている。ここで見出された知見を基にして,結晶標的を用いた陽電子源開発に関するKEKとの共同研究プロジェクトが別途スタートした。 4.ポジトロニウム生成理論の基となっているBタイプコヒーレント対生成過程を実験的に検証する方法をトムスク工大グループと共同で検討した。その結果は,国際会議および学術雑誌で公表した。なお,これらの検討の結果,統計精度を向上させるためには引き出し電子ビームだけでなく,制動放射を用いた実験を併用することが望ましいことが明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Yoshida, K.Goto, T.Isshiki, I.Endo et al.: "Positron Production in Tungsten Crystal by 1.2GeV Channeling Electron" Physical Review Letters. 80. 1437-1440 (1998)
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[Publications] Yu.L.Pivovarov, Yu.P.Ku-nashenko, I.Endo, I.Isshiki: "On the possibility of coherent production of relativistic positronia in a crystal at the REFER facility of Hiroshima University" Nucl.Instrum.Meth.In Phys.Res.(To be published). (1998)