1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08404032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 敏嗣 東京大学, 地震研究所, 教授 (00092320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 敦 東京大学, 地震研究所, 助手 (70222354)
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Keywords | 元素分配 / 海洋地殻 / 洪水玄武岩 / 高圧実験 |
Research Abstract |
本研究は洪水玄武岩が沈み込んだ海洋地殻の再溶融プロセスで形成されたとするモデルを高圧実験により検証する事をめざしている.このために,まず海洋地殻を構成する玄武岩(MORB)の溶融実験,特にガ-ネット,単斜輝石と液が共存する高圧条件下での実験を行なって,高圧下におけるMORBの溶融相関係を明らかにするとともに固液元素分配を決定する.これによって,海洋地殻の溶融に伴う液組成の変化を,溶融度,圧力の関数として明らかにすることができる.この結果と,洪水玄武岩の化学組成との比較から,洪水玄武岩マグマの生成条件を求めることを目的とする. 本年度はMORBのうち,海洋地殻の平均的化学組成を代表すると考えられる,MgOを9%程度含むものを出発物質にして,既設の耐圧150トンのピストンシリンダー装置を用いて溶融実験をおこない,相関係を明らかにした.結晶相,急冷液相であるガラスの化学分析には既存のEPMAを用い,結晶相と液相間の元素分配係数も一部の主成分および微量成分について求めた.これまでの高温高圧実験においては,圧媒体に吸着した水分が溶融関係に影響を及ぼした例があることが指摘されているが,本研究ではこのような事態をさけるために,圧媒体,試料をアルゴン雰囲気で焼成するとともに,実験直前まで真空オ-ブンで保存し,吸着水の影響を最小限にした.また,次年度以降の実験で使用する3-15GPaの圧力範囲で,効率よくかつ安定な長時間実験が可能となる装置を設計し,耐圧500トンの一軸油圧プレスを用いた多重アンビル式高圧装置を作成した.
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