1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08404036
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐野 有司 広島大学, 理学部, 教授 (50162524)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 健太郎 広島大学, 理学部, 助手 (20263668)
日高 洋 広島大学, 理学部, 助教授 (10208770)
|
Keywords | 窒素同位体 / 地球大気 / マントル |
Research Abstract |
地球化学的試料中の窒素の同位体比(^<15>N/^<14>N)はその起源についての情報を与えるだけではなく、地球大気の進化、マントルの化学的分化などの重要な問題について回答をもたらす。ところがダイヤモンドや海嶺玄武岩などの試料に含まれる窒素の量は1ナノモル以下と極めて少ないため、これまでの市販の動作動型質量分析計では測定が困難であった。希ガス同位体比測定に用いられている動作動型の質量分析器を改造して窒素同位体比に応用すれば、サブナノモルの窒素試料の同位体比較測定が可能となる。本研究では、試料からの窒素の抽出、分離、精製、同位体比測定を含めた分析システムの開発を研究目的とした。 金属製超高真空ラインの配管の設計、真空バルブ、真空ポンプ、真空計、加熱炉、極低温トラップなど必要な部品の吟味・選定を、それらの性能・評価を考慮して行った。そして、ダイヤモンドなどの試料から窒素ガスを抽出、分離、精製するための真空ラインを組みたてた。また、英国マイクロマス社かの希ガス同位体比用質量分析計(MM3600)を購入し、広島大学理学部に設置した。分析計からチタンゲッターを取り外し、コレクタースリットをオリジナルの1mmから0.4mmに変更し、質量分解能を250から540まで上げた。また、窒素同位体比測定を高精度で行うために、質量分析計を制御するコンピュータープログラムを開発した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Y. Sano and S. N. Williams: "Fluxes of mantle and subducted carbon along convergent plate boundaries" Geophysical Research Letters. 23. 2749-2753 (1996)
-
[Publications] N. C. Sturchio et al.: "Outflow plurre of the Beppu hydrothermal system at" Geothermics. 25. 215-230 (1996)
-
[Publications] 佐野 有司: "ヘリウム・炭素同位体比からみたマグマ起源ガスと地殻物質との相互作用" 地質学論集. 46. 83-90 (1996)
-
[Publications] 佐野 有司: "海洋における希ガス元素の研究" 月刊地球. 号外16. 147-152 (1996)
-
[Publications] 佐野 有司・蒲生俊敬: "岩波口座「地球惑星科学」4:地球の観測" 岩波書店, 330 (1996)