1997 Fiscal Year Annual Research Report
有機分子同位体研究法に基づくケロジェンの生成・進化モデルの構築
Project/Area Number |
08404037
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
石渡 良志 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90087106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 修一 創価大学, 教育学部, 教授 (20182628)
奈良岡 浩 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20198386)
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Keywords | バイオマーカー / ケロジェン / 堆積物 / 化学分解法 / 質量分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、バイオマーカー解析法と個別分子同位体研究手法を使ってケロジェンを構成する分子種を取り出して、起源についての情報を得ること、さらにこれらの情報に基づいてケロジェン生成と進化モデルを考察することにある。本研究の重要な点はケロジェンから分子種を取り出す方法の開発である。 本年度は、ケロジェンから分子種を取り出す方法として2つの方法を検討した。(1)ケロジェン中の硫黄-炭素結合の切断である。試料として構造既知の有機化合物および水月湖堆積物から分離したビチューメンを用いて検討した。様々な切断法を検討した結果TiCl4-LiAlH4を用いる方法が最も良いことが分かった。 (2)Ruthenium tetroxideを用いたケロジェン中のC-C結合の切断法を検討した。特にC-C結合の切断で得られる低分子脂肪酸の分析法の開発を行い、ほぼ満足すべき結果が得られた。化学分解で得られた分子種について、ガスクロマトグラフ質量分析(GCMS)による同定および分子レベルの炭素同位体比の測定が行われる予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 松平公平地: "ガスクロマトグラフィー/同位体質量分析法による堆積物中の個別ステロールの安定炭素同位体分析" J.Mass Spectrom.Soc.Jpn. 45・6. 641-648 (1997)
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[Publications] Ishiwatari,M.et al.: "Two Possible pathways of formation of pristane and phytane from chlorophylls on diagenesis:carbon isotopic results from laboratory heating of chlorophyll-a" Chemistry Letters. 355-356 (1997)
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[Publications] Yamada,K.et al.: "δ^<13>C records of diploptene in the Japan Sea sediments over the past 25 kyr" Geochemical Journal. 31・5. 315-321 (1997)
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[Publications] 石渡良志: "古環境情報源としての湖沼堆積物中の有機物" 月刊 地球. 19・8. 491-495 (1997)
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[Publications] 奈良岡 浩他: "ガスクロマトグラフ燃焼同位体比質量分析計を用いた有機分子のレベルの軽元素同位体比測定と地球化学への応用" 地球化学. 31. 193-210 (1997)