1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08404045
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松田 義尚 九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10037757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡上 吉広 九州大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10194333)
磯部 敏幸 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (90037242)
横山 拓史 九州大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20136419)
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Keywords | 水素原子 / 包接 / シルセスキオキサン / ESR / 緩和時間 / スピンエコー |
Research Abstract |
1.脂容性かご分子の合成と性質の検討.末端置換基を飽和及び不飽和炭化水素鎖とした脂容性かご分子を合成した.これらの包摂骨格分子の陽村状態を検討するため,プロトンスピンの緩和時間を測定した.プロトンの置換基上での位置が包摂骨格に近ずくほど緩和時間は短くなることが明らかになった.プロトンのゼーマンエネルギーは主として包摂骨格の分子振動によって緩和されると考えられる. 2.包摂水素の電子スピン緩和に関する検討.包摂水素のESRを,空気存在下,および脱気条件下で測定した.T_1,T_2いづれも脱気条件下よりも空気中の方が短くなるが,T_1にたいする影響が著しく大きいことが明らかとなった.酸素分子の運動性によるものと考えられる. 3.水素の包接状態の検討.二重4量体環に包摂された水素原子のESRを室温から4Kの範囲で測定した.その結果,超微細相互作用は温度の影響を敏感に受けるのに対して,g値は大きな影響を受けないことが分かった.包摂骨格の熱膨張は,包摂された水素原子の立体的広がりには影響を与えるのに対して,2p軌道のエネルギーには影響を与えないと考えられる. 4.包摂時の環境に関する検討.二重4量体環骨格にたいして,固相,溶液相,吸着相での照射を行い,包摂水素量の比較を行った.この結果,吸着媒が存在する条件下での溶液相において最も水素包摂量が増大することが明らかになった.
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