1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08404046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
御厨 正博 関西学院大学, 理学部, 教授 (10157472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安里 英治 琉球大学, 理学部, 助教授 (10222580)
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Keywords | 金属錯体 / 結晶構造 / 単核錯体 / 二核金属錯体 / 三核金属錯体 / 四核金属錯体 |
Research Abstract |
少数核金属錯体の設計合成の手始めとして小数核の中でも最も少ない核数である1個から4個の金属イオンを分子内に近接させた単核、二核、三核、四核金属錯体に重点を置いて実験を行った。 1.少数核形成を指向させた有機配位子(多座配位子・マクロ環)の設計合成において、少数の金属イオンを補足するために架橋形成能の高いチオール基、アルコール基、フェノール基を含む種々の有機配位子の合成を行った。有機配位子の元素分析や赤外吸収スペクトル、NMRスペクトル等から目的とする配位子が合成できたことを確認した。 2.1で合成した有機配位子に第一遷移元素を中心とした各種の金属塩を有機溶媒中で反応させ、生成する金属錯体を単離した。 3.2で単離した金属錯体について元素分析や赤外吸収スペクトル、NMRスペクトル、電子スペクトル等の測定を行い、金属錯体のキャラクタリゼーションを行った。 4.これらの金属錯体の単結晶作製を行い、四軸型自動X線回折装置により収集したX線回折データを解析することにより錯体の構造を明らかにした。 5.数種のMn錯体は希有な六、七、八配位構造をとっていることが解ったので、これらのESRスペクトルを測定し、Mnの電子状態について知見を得た。 以上の結果、(1)有機配位子の架橋基がアルコール基の場合、二核金属錯体の他、反応条件によっては単核金属錯体の形成が優先させること、(2)チオール基の場合、八面体-四面体-八面体の特異な直線型三核金属錯体が形成し、反応条件を制御することにより異なる金属を同一分子内に隣接させることができること、(3)フェノール基の場合、二核及び四核金属錯体が生成することが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 御厨正博: "Variable Coordination Geometries on Manganese(II): Eight-,Seven-,and Six-Coordinate Mn(II) Complexes with Pyridyl-Containing Schiff-Base Ligands" Chemstry Letters. 1996・10. 849-850 (1996)
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[Publications] 半田 真: "Chain Compounds of Rhodium(II) Trifuluorocetate Linked by p-Quinone [Rh_2(O_2CCF_3)_4(p-Q)]_n,p-Q=1,4-Benzoquinone, 1,4-Naphthoquinone, and 2,3-Dimethy1-1,4-benzoquinone" Bulletin of the Chemicl Society of Japan. 69・12. 3483-3488 (1996)
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[Publications] 御厨正博: "Synthesis and Characterization of Thiolato-Bridged Trinuclear Heterometal Complexes with 2-[(3-Aminopropyl)amino]ethanethiol" Bulletin of the Chemicl Society of Japan. 69・12. 3489-3498 (1996)