1997 Fiscal Year Annual Research Report
炭素マイクロポーラス空間を用いたゲスト物質の新機能・物性制御
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08404048
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
榎 敏明 東京工業大学, 理学部, 教授 (10113424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 章 東京工業大学, 理学部, 助手 (40251607)
佐藤 博彦 東京工業大学, 理学部, 助手 (90262261)
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Keywords | マイクログラファイト / 活性炭素繊維 / ナノサイズ電子系 / 欠陥構造 / 熱処理秩序化 / 化学吸着 / ダングリングボンド状態 / 共約π電子系 |
Research Abstract |
大きさ20A^^o程度のマイクログラファイトが乱雑なネットワーク構造をなす活性炭素繊維(ACF)は極めて多孔質の物質であり、その構造は熱処理を行うことにより規則化する。このようなマイクログラファイトネットワークの電子状態はランダム構造をもつ金属の挙動として、またナノサイズの電子系の問題として興味あるものである。一方マイクログラファイトネットワークの間にはマイクロポアが存在し、気体吸着の場として、気体分子とマイクログラファイトとの相互作用の観点から興味がもたれる。さらにフッ素はこのようなマイクログラファイト骨格に共有結合により付加しフッ素誘起のsp^3欠陥構造を形成し、sp^3/sp^2混合電子系として興味深い問題を提供する。今年度はマイクログラファイトネットワークの電子状態とその熱処理効果、酸素の吸着およびフッ素化による構造、伝導、磁気物性の変化およびその熱処理効果を明らかにした。得られた成果は以下のようにまとめられる。(1)ACFの乱雑構造は熱処理により秩序化し、マイクログラファイトの電子状態にも大きな変化が生じ、構造の秩序化によるキャリアの伝導パス形成のため、熱処理温度1000℃以下では半導体的であるが、1300℃以上では金属となる。半導体から金属に転移する境界領域でスピングラス的な状態の出現を見出した。(2)酸素分子の吸着には化学吸着的な強い吸着サイトと物理吸着的な弱い吸着サイトがあり、化学吸着的な酸素吸着により伝導度が大きく変化すること、また化学吸着サイトは1200℃以上の熱処理により消失することがそれぞれ明らかになった。(3)フッ素誘起のsp^3欠陥はマイクログラファイトの共役π電子系に大きな影響を与え、フッ素濃度F/C〜0.5以上では広がったπ電子系が存在しないことを見出した。また、sp^3欠陥のもつダングリングボンド状態は非局在的な性格を有することが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N. Kobayashi et al.: "Magnetic properties of absorbed oxygen in microporous carbon" Mol. Cryst. Liq. Cryst.306. 103-110 (1997)
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[Publications] Y. Shibayama et al.: "Magnetic Properties of Activated Carbon Fibers and Their Iodine-Doping Effect" Mol. Cryst. Liq. Cryst.(in press). (1998)