1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08404054
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
石川 統 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70012482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 恵春 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80250215)
佐々木 哲彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60235257)
森岡 瑞枝 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20272461)
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Keywords | アブラムシ / 菌細胞共生系 / 遺伝子発現 / リボフラビン / ゲノムサイズ / ゲノムコピー数 / ヒストンHI / ウリカーゼ |
Research Abstract |
アブラムシの細胞内共生細菌ブフネラ,およびトビイロウンカの細胞内酵母様共生真菌について,大略以下の事実を明らかにした. 1. 若齢虫および老齢虫の菌細胞共生系における遺伝子発現をdifferential display法で比較した結果,ブフネラ,菌細胞の双方とも,共生が緊密に維持されているときにのみ特異的に発現される遺伝子を十数種類指摘した.その中には,従来の研究結果を裏づけるように,アミノ酸代謝系酵素の遺伝子が多数含まれていた. 2. ブフネラはリボフラビンを合成し,宿主に供与していることを示す明確な証拠を得た. 3. 認識配列に多数のGCを含む制限酵素でブフネラゲノムDNAを切断し,パルスフィールド電気泳動で分析することによって,そのゲノムサイズを657kbpと同定した.このサイズは進化的に近緑であることが明らかな大腸菌ゲノムの1/7にすぎない. 4. 2種の遺伝子量のドットブロット解析および細胞のDNA含量の蛍光による直接測定によって,ブフネラは単一の細胞に平均100個以上のゲノムコピーをもつきわめて特殊な細菌であることを明らかにした.また,そのコピー数は宿主昆虫のモルフおよび発生段階によって大きく変動することを示した. 5. 細菌としては例外的にブフネラはヒストンH1様タンパク質を保有し,それがゲノムDNAと相互作用しつつ存在するらしいことを示した. 6. トビイロウンカが組織内に貯蔵する尿酸の可溶化に不可欠である酵母様共生体ウリカーゼ遺伝子のクローニングを行い,大腸菌に組み換えて,同酵素タンパク質の大量発現系の構築を行った.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Dohra: "Structure and expression of a groE-homologos....." Jouenal of Eukarvotic Microbiol.45. 71-79 (1998)
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[Publications] T.Sasaki: "Analysis of Wolbachia protein synthesis in Droso.." Insect Molecular Bilogy. 7. 101-105 (1998)
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[Publications] Y.Iimura: "Hemagglutinating properties of apolipophorin III.." Arch.Insect Biochem.Physiol.38. 119-125 (1998)
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[Publications] T.Fukatsu: "Differential immunochemical visualization of......" Appl.Entomol.Zool.33. 321-326 (1998)
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[Publications] M.Morioka: "Insect chaperonin 60 : Symbionin" Methods in Enzymology. 290. 181-193 (1998)
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[Publications] A.Nakabachi: "Probision of riboflavin by endosymbionts to the...." Journal of Insect Physiology. 45. 1-6 (1999)