1998 Fiscal Year Annual Research Report
マキシマム・エントロピー法によるフラーレン化合物の精密構造解析
Project/Area Number |
08405003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂田 誠 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40135306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 昌樹 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (60197100)
篠原 久典 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (50132725)
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Keywords | 金属内包フラーレン / Sc@C82 / La@C82 / マキシマムエントロピー法 / フラーレン / 粉末回折 / 構造解析 / 放射光 |
Research Abstract |
本年度は、引き続き金属内包フラーレンの精密構造解析として、La@C_<82>、Sc@C_<82>およびSc_3@C_<82>の構造を明らかにした。これにより、昨年度解析を行ったSc_2@C_<84>と合わせて、フラーレン・ケージに同一金属が1個、2個あるいは3個内包した時の構造を、実験的に明らかにすることに成功した。また、単原子を内包した金属内包フラーレンとしては、これまでに解析したY@_<C82>を加えると、C_<82>という同一のフラーレン・ケージにY,La,Scという3種類の異なった金属を内包した金属内包フラーレンの電子レベルでのミクロ構造を解明したことになる。 それにより、内包構造は非常に多様性に富んでいることが明らかになった。例えば、Sc@C_<82>とLa@C_<82>とを比較すると、ScおよびLaともに、フラーレン・ケージ近傍に内包されているということは同じであるが、Scの電子密度が、わずかにケージに沿って広がっているだけなのに対し、Laの電子密度はフラーレン・ケージ内に、ほぼ、半球状に分布していることが分かった。,このように、言わば、お椀状に原子が結晶中で存在することは、これまで全く知られておらず、フラーレン・ケージ内が、特殊な空間になっていることが実験的に明らかになった。 金属内包フラーレン以外のフラーレン化合物としては、アルカリ・ドープフラーレンの構造を、超伝導転移温度の異なる3種類の物質について構造を解明した。それにより、アルカリ金属からフラーレン・ケージへの電荷移動の量が、超伝導転移温度と非常に密接に関連していることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Sakata 他: "Nature of the Hydrogen Bond in Teragonal KDP(KH2PO4)Observed by Maximum Entropy Method" J.Phys.Soc Jpn,. 67. 4124-4127 (1998)
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[Publications] H.Shinohara 他: "Determination of the Cage Structure of Sc@C82 by Synchrotron Powder Diffraction" Chem.Phys.Lett.298. 79-84 (1998)
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[Publications] M.Takata 他: "Structure of Endohedral DimetallofullereneSc2@C84" Phys.Rev.Lett.78. 3330-3333 (1997)
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[Publications] M.Takata 他: "X-Ray Structural Study of Di-metallofullerene Sc2@C84 by Maximum Entropy Method." Meeting of The Electrochemical Society Proceedings. 97-14. 4-9 (1997)
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[Publications] M.Sakata 他: "Charge Density of Hexagonal Boron Nitride Using Synchrotron Radiation Powder Data by Maximum Entropy Method." J.Phys.Chem.Solids.58. 177-183 (1997)
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[Publications] 高田 昌樹 他: "メタロフラレーンY@C82" 日本結晶学会誌. 38. 244-248 (1996)