1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08405004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅 滋正 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40107438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 正文 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (70221306)
鈴木 直 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40029559)
今田 真 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (90240837)
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Keywords | 電荷整列 / 価数揺動 / 近藤共鳴 / 4f電子 / 共鳴光電子 |
Research Abstract |
MnペロブスカイトNd_<1-x>Sr_xMnO_3はx=0.5と他の組成では顕著に異なる物性を示す。x=0.5では約260K以下で強磁性金属になるがさらに160K以下で電荷整列(CO)をおこし反強磁性絶縁体になる。またx=0.47では約265K以下の低温で強磁性金属状態にある。この物質の電子状態は格子のひずみに敏感と考えられるので今回は従来行っていたダイアモンドやすりによるファイリングのかわりにへき開や破断によって清浄表面を得た後、スペクトルの再現性をチェックした測定を行った。まずx=0.5についてNd3d、Mn2p、Mn3p内殻共鳴光電子分光を行った。Nd3d共鳴光電子分光からはNd4f-O2p結合、反結合状態が明確に観測できる。Mn2p共鳴からは顕著な2本のMnt_<2g>軌道成分に加えてフェルミ準位直下にe_g軌道成分が見られる。高分解測定はMn3p共鳴に対して行ったが、その結果はx=0.47に対してはフェルミ端が常に観測されており、全体としてスペクトル形状の温度変化は小さいということである。t_<2g>成分についても変化は小さい。これに対しx=0.5ではCO温度の上下で顕著なスペクトル形状変化が見られる。x=0.47と0.5でゼロラインはずらせてあるが積分強度が一定になるように規格化してある。その結果CO温度以上ではE_Fに有限の強度を持つがCO温度以下ではEF付近にギャップが生ずる。E_Fから測ったギャップの大きさは20Kで約100meVと評価できた。E_Fから1eVの範囲ではx=0.47の方がスペクトル強度が強い。これはe_g電子数がx=0.5より若干多いためと考えられる。Sr置換によるe_gバンドのfillingによってe_gバンドがリジッドシフトしているとは考えられず、スペクトル形状には電子相関が効いていると考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Suga: "Temprerature-Dependent Change of Correlated Electronic states in Yb_4As_3 and Yb_4(As_1-x Sbx)_3 Probed by High Resolution Photoemission Spectroscopy." J.Phys.Soc.Jpn.67. 3552-3560 (1998)
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[Publications] S.Suga: "Magnetic dichroism in core absorption and photoemission" J.Electron Spectrosc. Rel. Pherom.92. 1-9 (1998)
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[Publications] T.Okuda: "Fermi surface of Sr_2 RuO_4 studied by two-dimensional angle resolved photoelectron spectroscopy" J.Electron Spectrosc Rel. Phenom.88-91. 473-477 (1998)
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[Publications] S.Imada: "MCD in 2p and 3d XAS of Mn-Zn ferrite" J.Electron Spectrosc. Rel. Phenom.88-91. 195-199 (1998)
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[Publications] Y.Kuwata: "Electronic structures of Nd_1-x SrxMnO_3,Lar-xSrx MnO_3 and La_<-x> Sa_xMnO_3 studied by photoemission and inverse photoemission" J.Electron Spectrosc.Rel.Phenom.88-91. 281-285 (1998)
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[Publications] V.Kaznacheyer: "Electronic structure of pyrite-type MnTe_2 studied by photoelectron spectroscopy" Phys.Rev.B. 58. 13491-13497 (1998)