1997 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧・高周波プラズマプロセスの時空間分解発光分光計測とその制御
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08405014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片岡 俊彦 大阪大学, 工学部, 教授 (50029328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
押鐘 寧 大阪大学, 工学部, 助手 (40263206)
遠藤 勝義 大阪大学, 工学部, 助教授 (90152008)
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Keywords | 大気圧・高周波プラズマ / 時空間分解発光分光計測 / 準安定粒子 / 負グロー / 吸収分光 / 温度計測 / 粒子密度計測 |
Research Abstract |
本研究では、ストリークカメラを用いた時空間分解発光分光計測により大気圧・高周波プラズマの内部パラメータ(粒子密度、粒子温度、電界強度)の時空間分布を計測し、大気圧・高周波プラズマの外部パラメータと内部パラメータの関係を明らかにし、個々のプロセスに最適になるようにプラズマを定量的に再現性よく制御することを目的としている。本年度は、昨年度製作した時空間分解発光分光計測システムを用いて、種々の外部パラメータ条件下でのHe大気圧・高周波プラズマの計測を行ない、以下の点が明らかとなった。 電源周波数を13.56MHzから145MHzに上げたことで、1mm以下の狭い電極間に安定なHe大気圧・高周波プラズマを発生・維持することを出来た。 大気圧以上のHe大気圧・高周波プラズマでは、電極近傍のシース領域に加えて、電極間中央部にも発光が生じた。ガス圧の増加により、(a)荷電粒子の移動度が下がることでシース領域の収縮、(b)電界の浸透によるバルクプラズマ部の発光が生じたと考えられる。 電源周波数とガスの圧力を3気圧にすることによって、30μm程度の電極間隔でも、プラズマを発生、維持出来ることが分かった。 半導体レーザーを用いた時刻マーカーを用いることで、時空間分解発光分光像と局所電界近似法によるプラズマシミュレーション結果とから、He大気圧・高周波プラズマが負グローであることが分かった。ただし、電極間隔を狭くしてゆくと、アノード前面に瞬時に正グロー的な発光も観察されており、次年度においてプラズマ構造の時空間変化をさらに詳しく調べる必要がある。 プラズマ発光に寄与し、プロセスに置いても重要な役割を果たすHe準安定粒子密度の時間平均の空間分布を、He放電プラズマを用いた吸収分光法による測定した。その結果、シース付近やバルク部に、ガス粒子数密度の10^<-6>程度のHe準安定粒子が存在していることが分かった。次年度では、このHe準安定粒子数密度の時空間分解計測やプラズマ粒子の温度分布計測を時間分解分光法により行ない、外部パラメータとの関係を明らかにする。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 押鐘 他: "He高圧力・高周波プラズマの特性-電極材質による相違-" 1997年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集. H52 (1997)
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[Publications] 遠藤 他: "高圧力・高周波プラズマの計測と制御-プラズマの時空間分解発光分光計測-" 1997年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. C05 (1997)
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[Publications] Y.Oshikane et al.: "Capacitive VHF Plasma Simulation at Atmospheric Pressure by Local Field Approximation Method" Report of the Institute of Fuid Science,Tohoku University. Vol.10. 147-155 (1997)
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[Publications] 押鐘 他: "容量結合型・大気圧・高周波ヘリウムプラズマの分光計測" 第15回「プラズマプロセシング研究会」プロシ-ディングス. 358-361 (1998)
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[Publications] 大津、河田 編(分担執筆): "近接場ナノフォトニクスハンドブック" (株)オプトロニクス社, 270 (1997)