1996 Fiscal Year Annual Research Report
半導体中のバリスティックエレクトロンを観測する新しいSTM技術の研究
Project/Area Number |
08405023
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
古屋 一仁 東京工業大学, 工学部, 教授 (40092572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須原 理彦 東京工業大学, 量子効果エレクトロニクス研究センター, 助手 (80251635)
宮本 恭幸 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40209953)
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Keywords | ホットエレクトロン / STM / ホットエレクトロンエミッタ / 低仕事関数金属 / 超高真空STM |
Research Abstract |
本研究では固体中を表面に向かって走行する非熱平衡無衝突伝導電子(ホットエレクトロン、以下HE)を、試料表面に近接させたSTM探針で検出し、HEの空間およびエネルギー分布を測定する新しいSTM技術(走査型ホットエレクトロン顕微鏡(Scanning Hot Electron Microscopy、SHEM)を提案・実証した。探針でHEを検出するために探針試料間距離を十分に小さくしポテンシャルバリア高をHEエネルギーより低くする必要がある。サンプルおよび探針材料の仕事関数、トンネル電圧、そして探針試料間距離の間に要求される関係を理論的に明らかにした。これに基づき、まず、大気中で実験可能な材料を用いた最初の実証実験を設計し、HEエミッターとしてSi/CaF2/Auのヘテロ接合を用いることを検討した。バンド曲がりを考慮してHE放射特性を解析した結果、HEエネルギー5eV、10KA/cm2以上の電流密度が得られることを明らかにした。10μm2の微小エミッタ面積をもつ試料をフォトリソグラフィを用いて作製し電流電圧特性により理論通りの放射特性が得られていることを確認した。上記試料に対して現有の大気中STM装置に改造を加えてSHEM測定実験を行った。微小なHE電流を検出するために位相同期検出法を用いた。様々な雑音要因を一つずつ排除することによって、試料に直流電圧3V、交流電圧を振幅170mV、周波数82Hzで印加し、トンネル電圧1.5Vを印加し測定を行った。探針試料間距離を減少していくとある距離で同期検出信号が急増することを確認し、理論的考察の結果、HE電流検出と判断した。 半導体デバイス中のように1eV以下の低いHEエネルギの検出を可能にするには低仕事関数材料を表面に用いる必要があり、酸化を防止するには高真空環境でSHEM測定を行う必要があるが、本研究ではこの要求に応える装置を設計し装置製造を行って次年度の研究進展の基礎を築いた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] F.Vazquez,K.Furuya and D.Kobayashi: "Detecting subsurface hot electrons with a scanning probe microscopy" J.Appl.Phys.79・2. 651-655 (1996)
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[Publications] H.Hongo,H.Tanaka,Y.Miyamoto,J.Yoshinaga,and K.Furuya: "Electrical properties of 100nm pitch Cr/Au fine electrodes with 40nm width on GaInAs" Jpn.J.Appl.Phys.35・8A. L964〜L967 (1996)
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[Publications] F.Vazquez,D.Kobayashi,I.Kobayashi,Y.Miyamoto,K.Furuya,et.al.: "Detection of hot electron current with scanning hot electron microscopy" Appl.Phys.Lett.69・15. 2196-2198 (1996)
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[Publications] R.Takemura,M.Suhara,Y.Miyamoto,K.Furuya,and Y.Nakamura: "Current-voltage characteristics of triple-barrier resonant tunneling diodes including coherent and incoherent tunneling process" IEICE of Jpn.E-79C・11. 1525-1529 (1996)
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[Publications] H.Hongo,T.Hattori,Y.Miyamoto,K.Furuya,K.Matsunuma,et.al.: "Seventy nm pitch patterning on CaF2 by e-beam exposure:An inorganic resist and a contamination resist" Jpn.J.Appl.Phys.35・12. 6342-6343 (1996)