1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08405036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
國島 正彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00201468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湊 隆幸 東海大学, 海洋学部, 講師 (70271591)
渡邊 法美 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30240500)
小澤 一雅 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80194546)
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Keywords | 建設労働災害 / 安全管理 / リスクマネジメント / コンピューターグラフィクス |
Research Abstract |
本年度は日本の建設労働災害の構造分析とコンピューターグラフィクス(CG)により建設現場を可視化することを試みた。 建設労働災害の構造分析では、事故の被災者に対する1対1の聞き取り調査を重点とする事故の追跡調査および建設現場における安全管理体制に関する調査を行った。従来の事故報告書には報告されていない事故の背景的要因などの事故発生のメカニズムを正確に調査・分析した。その際、背景的要因を、個々の工事に特有な要因、中小規模工事に特有な要因、建設業界共通の要因の3種類に分類した。また、建設現場の重層下請構造、元請と下請相互間の請負契約における安全対策を実施する場合の費用・役割・責任の取り決め状況、元請業者・下請業者の安全管理能力、安全に関する指示・情報の流れを明らかにし、現場の安全管理体制と労働災害との関連を考察した。以上の考察結果にリスクマネジメントの考え方を適用し、建設労働災害問題を、a)危険要因に相当する「流入水」、b)現場のリスクレベルに相当する「水位」、c)安全対策に相当する「排出口」の3つから成る「タンクモデル」によって記述することが可能であることを示した。来年度は、タンクモデルの具体化を試みる予定である。 また、現場のリスクレベルを的確に把握するために、CGによる建設現場の視覚化も試み、本年度は作業員の現場疑似体験ソフトを試作した。キーボード操作によって、仮想の足場内を自由に歩行し、衝突などの状況を疑似体験することが可能となった。衝突した場合には、体の部分に対応した色の霧を画面に表示する手法としている。さらに実際の現場の状況を詳細に調査研究し、本視覚化ソフトの有効性を高めるとともに、実際の労働災害のデータを用いて災害の動態状況を視覚再現できる研究を進めている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 岡野高之・花安敏郎・國島正彦: "コンピューターグラフィックスによる建設現場の視覚化" 建設マジネメント研究論文集. Vol.4. 69-76 (1996)
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[Publications] Tsunemi Watanabe Masahiko Kunishima: "Fundamental Study on Safety Control at Construction Sites in Japan" 1996 CIB Beijing International Conference(CD-ROM). ♯190 (1996)