1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08405037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川口 健一 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40234041)
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Keywords | 空間構造 / 形態解析 / 逆問題 / 不安定構造 / ホモロジー設計 / 自己応力 / 最適形態 / 遺伝的アルゴリズム |
Research Abstract |
本研究では,構造解析の基礎方程式,釣り合い方程式,荷重-変位式を基礎とする形態解析を取り上げ,ここの形態解析の性質を明らかにし,その性質に基づく理論構成を行なうことを目的としている。平成8年8月9日に研究代表者であった,半谷裕彦東京大学教授が急逝され,研究分担者であった川口健一東京大学助教授が,研究代表者となることで研究を続行した。 平成10年度は,平成8年,9年と行なって来た今までの研究実績のまとめとして,逆変分原理に焦点をあて,不安定構造や自己釣り合い応力決定法の形態解析に関する理論の開発,特に,非線形領域における逆変分原理を定式化し,数値解析を実行した。本解析手法は、ケーブル構造などの構造形態と力の流れが密接に関わった構造物の最適化手法として優れており,特に,ケーブル構造などの自己釣り合い応力によって初期剛性が付与される,不安定構造物の自己応力の最適化に力を発揮する。本研究における数値解析においても,5つの自己釣り合いモードを持った平面ケーブル構造を解析モデルとして選定し,その最適自己釣り合いモードの割合を決定した。また、その結果を既往の文献の数値解析結果と比較し,考察を行なった。さらに,モデル実験として,形態解析によって得られた任意形態構造物のための載荷実験装置の開発を行なった。本装置は,任意形状の離散型骨組みモデルに対する載荷実験を行なうための装置であり,数トンの載荷能力がある。試験体として,異なるライズスパン比をもつ扁平単層スペースフレームモデル,さらに球面分割パターンの異なる扁平単層スペースフレームモデルを作成し,これに対する載荷実験のための装置の開発を行なった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 大矢俊治, 半谷裕彦: "楕円型リング状ラチスシェルの座屈荷重" 計算工学講演会論文集. 3巻, 3号. 785-788 (1998)
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[Publications] 大矢俊治, 半谷裕彦: "不定形単層ラチスシェルの構造挙動に関する研究-楕円形リング状ラチスシェルの座屈荷重-" 日本建築学会大会学術講演梗慨集. B-1. 949-950 (1998)
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[Publications] 杉内章浩, 半谷裕彦, 呉明児: "ケーブル及び複合ケーブル構造の最適自己釣合い張力の決定法 その1:研究背景と逆変分原理による最適化" 日本建築学会大会学術講演梗慨集. B-1. 1067-1068 (1998)
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[Publications] 呉明児, 半谷裕彦, 杉内章浩: "ケーブル及び複合ケーブル構造の最適自己釣合い張力の決定法 その2:非線形計画法による最適化" 日本建築学会大会学術講演梗慨集. B-1. 1067-1070 (1998)
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[Publications] Shunji Oya, Yasuhiko Hangai: "Buckling Behaviour of Truncated Cone Shape Single-Layer Lattice Shells" Proceedings of International Conference on Lightweight Structures in Civil Engneering, Warsaw, Poland. 148-151 (1998)
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[Publications] 杉内章浩, 呉 明児, 川口健一, 半谷裕彦: "ケーブル構造の導入張力の最適化 -異なる手法の比較-" 膜構造研究論文集'98. No.12. (1998)