1998 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
08405041
|
|---|
| Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
|---|
Principal Investigator |
高橋 康夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (60026284)
|
|---|
| Keywords | 都市 / 自然 / 環境 / 都市史 / 災害 / 地震 |
|---|
| Research Abstract |
本年度は、以下の項目について研究した。
(1) 大災害と都市更新について、大災害の後、都市はなぜ一新され、再建修復されることがないのかという問題では、都市を襲う大火災や大地震に注目し、近世初頭前後に大火災や大地震を被った都市(酒田・広島・長崎など)について史料を収集整理した。
(2) また、自然の大災害ではないが、戦災に注目した。とくに、原子爆弾による凄惨な破壊を受けた広島では、爆心地周辺は近世・近代の広島における中心的な繁華街であったが、復興に際してもとの繁華街には戻らず、平和記念公園とされた。そのことの当否はともかく、かつての町人町の町並みや街路をすべて更地にする形で平和記念公園の計画がなされたことは、都市の記憶を完全に空白化した意味で、問題があり、伝統的な都市空間の復元、都市の記憶の回復が望まれる。
(3) 都市・集落・住居の選地と自然、大災害と都市更新に関する研究においては、一昨年・昨年に引き続いて札幌・青森・山形・米沢・酒田・広島・長崎・鳥取・高知・.鹿児島などの都市について、都市形成の契機と自然の関係、都市の成立と自然環境の維持・改変について実地調査を行い、資料を収集した。
(4) 都市と自然に関する参考文献・資料・史料・指図・絵画資料などのデータを収集し、必要なものを機械可読化した。それらをパソコン・データベースに入力・増補し、研究支援データベースを構築した。
|
