1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08405044
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 建一 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (50111670)
|
Keywords | レーザー衝撃 / 高強度レーザー / 超高速 / 衝撃波 / 炭素新相 / 非晶質ダイヤモンド |
Research Abstract |
本研究は、高強度パルスレーザを微小面積に集中させることによって衝撃波を発生させる技術、もしくはその反作用によって微小な飛翔板を加速・衝突させることによって衝撃高圧力を発生させる技術を確立し、さらに、このレーザ衝撃圧縮法を炭素新相の探索研究に適用して、未だ明らかにされていない炭素の隠された振る舞いを実験的に明らかにすることを目的としている。 本研究は3年間を予定しており、本年度は、3J-YAGレーザーの光学系の組立・調整を行い、また衝撃波速度と物質速度の測定を行えるレーザー干渉計を作成し、飛翔板加速のレーザ衝撃実験を行った。その結果、レーザービームのエネルギー分布に伴う飛翔板の変形が見られ、レーザーのプロファイル制御が必要であることが分かった。また、アルミニウム飛翔板における加速の厚さ依存性が強く、飛翔板にガラスなどの裏打ちをすることで、加速効率が格段に上昇することが分かった。これらは、有限差分法ハイドロコードを用いた時間・空間分解型のレーザ衝撃状態シミュレーションと良く一致しており、レーザー誘起衝撃圧縮法の設計が可能となった。しかしながら、ダイヤモンド合成が可能な50GPa以上の圧力領域には、一層の工夫が必要であることが分かった。 従来の衝撃銃による条件との比較のために10μm帯の赤外域衝撃温度測定装置を前年度に作成したが、四塩化炭素液体試料の衝撃温度測定に応用して装置の検証を行った。温度校正は黒体炉を用いて1500K程度まで行ったが、既往の研究例の値よりも20%程低い値が得られ、赤外線放射の光路損失を再検討する必要がある。次年度では、1μm帯の光速赤外温度計を作成して、高温域の測定を行う。また、衝撃銃による衝撃圧縮凍結法で得られた透明非晶質ダイヤモンドには、ナノ組織ダイヤモンドの部分が存在することも明らかとなった。
|
-
[Publications] H.Sugiura, R.Ikeda K.Kondo, T.Yanadaya: "Densified silica glass affershock compression" J. Appl. Phys.81. 1651-1655 (1997)
-
[Publications] H.Hirai, K.Kondo, M.Kim H.koinuma, K.kurashima, Y Bando: "Transparent nanocrystalline diamond ceramics tabricated from C_<60> fullereme by shock compression" Appl. Phys. Lett.71. 3016-3018 (1997)