1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08405048
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴田 俊夫 大阪大学, 工学部, 教授 (90001205)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春名 匠 大阪大学, 工学部, 助手 (70243186)
藤本 愼司 大阪大学, 工学部, 講師 (70199371)
谷口 滋次 大阪大学, 工学部, 助教授 (50029196)
|
Keywords | 不働態 / 電気化学 / X線光電子分光法 / イオンビーム・スパッタリング / 薄膜 / 合金化 / 微量元素 / 局部腐食 |
Research Abstract |
耐環境性金属材料の表面には不働態皮膜と呼ばれる数ナノメートル程度の厚さの酸化物系超薄膜が覆っている金属材料の耐環境上の向上はこの不働態皮膜をいかに制御するかが最も重要な要因である。不働態皮膜の耐環境性は酸化物皮膜中の成分の均一な制御、特にいくつかの有用な成分の選択濃縮を図ることが重要でさらにこれらの成分の能力を効率よく発揮するための微量成分の量および状態の制御が必要である。一方、金属材料中の欠陥は事実上不可避な要因であるが、これは不働態皮膜の局部的欠陥をもたらし耐環境性を著しく損なう。従って、不働態皮膜の耐環境性の強化は全体の質を高めると同時に下地合金中の局部欠陥の有無に関わらず皮膜中の局部的弱点を無くすことの両面からナノスケールの構造制御によって行わなければならない。本研究では、不働態皮膜ナノスケール構造制御にかかわる一連の研究計画の初年度として高純度金属ならびに正確に微量成分をコントロールした試料の作成法の開発を行った。上記の目的を達成するために、蒸着源を2つもつデュアルイオンビームスパッタリング製膜装置を作製した。本装置は高真空仕様とし1×10^<-8>torr以下の高い真空度としたので高純度な合金薄膜を製造することが可能である。また、イオン源を2つ備えたことにより、合金成分を自由に制御したり、あるいは基盤上で合金元素の濃度分布を持たせることができる。装置は当初の計画どうりの性能を達成しており、鉄系耐環境性材料の製造を行い、微量元素の添加によるステンレス鋼不働態皮膜中への微量元素の濃縮挙動などを明らかにした。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 藤本愼司: "不働態皮膜の構造制御と耐環境性" 表面技術. 47・12. 1019-1024 (1996)
-
[Publications] S.Fujimoto: "Extraordinarily Thick Passive Film Formation on Ni-Cr Alloy with Square Wave Potential Pulse Polarization" Corrosion Science. 38・9. 1473-1483 (1996)
-
[Publications] T.Shibata: "Effect of Crystallization on the Stochastic Pit eneration Process of Fe-Cr-Si-B Amorphous Alloy" Materials Transactions,Japan Institute of Metals. 37・12. 1774-1780 (1996)