1998 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝的ゲノム再編成によるオオムギ染色体の物理的地図作製と分子遺伝学的研究
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08406001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
遠藤 隆 京都大学, 農学研究科, 教授 (60068830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 直彦 京都大学, 農学研究科, 助教授 (20212243)
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Keywords | オオムギ / パンコムギ / 染色体構造変異 / 欠失 / 転座 / GISH / FISH |
Research Abstract |
本研究は、オオムギ染色体が添加されているパンコムギ系統に遺伝的に染色体構造変異を誘発してオオムギ染色体の欠失系統を育成し、オオムギ染色体の物理的染色体地図を作製することを目的としている。本年度は、6オオムギ染色体(1Hを除く)についての染色体構造変異を起こす系統(2n=45,21"+1"H+1′2C:Hはオオムギ染色体、2Cは染色体構造変異を起こすAegilops cylindrica由来の染色体)すべての子孫について、染色体構成を分子雑種形成法のFISH(flurorescence in situ hybridization)及びGISH(genomic in situ hybridization)によって調査した。その結果、2C染色体はどのオオムギ染色体についても子孫個体の10〜15%に構造変異を誘発することが明らかになった。7Hについては約40の欠失、転座がヘミ接合になっている系統を得、DNAを抽出した。現在、このDNAを用いて、Dr.G.Kunzel(Institute of Plant Genetics and Crop Plant Research,Gatersleben,Germany)の研究グループとの共同研究によりRFLP(restriction fragment lengthpolymorphism)地図作製、そして当研究室においてはAFLP(amplified fragment length po1ymorphism)地図作製を行っている。また、本年度は、2C染色体とは別のAegilops triuncialis由来の染色体構造変異を起こす染色体をオオムギ染色体添加系統に導入し、その子孫での染色体構成の調査を開始した。予備実験の結果は、この染色体が2C染色体と同等もしくはそれ以上の効率でオオムギ染色体に構造変異を誘発すること、そして、2C染色体の場合より明らかにコムギ染色体との相互転座が多く、この染色体が2C染色体とは異なる染色体構造変異誘発機構を持つことを示唆した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Schubert,I.: "An efficient screening for terminal deletions and translocations of barley chromosomes added to common wheat." The Plant Journal. 14. 489-495 (1998)
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[Publications] Yoshino,M.: "Detection of terminal deletions in barley chromosomes by the PCR-based method." Genes & Genetic Systems. 73. 163-166 (1998)
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[Publications] Endo,T.R.: "Genetic induction of chromosomal structural changes of alien chromosomes in common wheat." Proc.9th Int.Wheat Genet.Symp.2. 40-43 (1998)