1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08406003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
生越 明 北海道大学, 農学部, 教授 (80109503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋野 聖之 北海道大学, 農学部, 助手 (60202537)
近藤 則夫 北海道大学, 農学部, 助手 (00234948)
小林 喜六 北海道大学, 農学部, 助教授 (10002065)
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Keywords | phytophthora / アイソザイム / 交配型 / メタラキシル |
Research Abstract |
本研究では、ジャガイモ疫病菌の生理学的、生化学的および遺伝子学的性質を調べることにより各地域における菌株群の特徴を明らかにすることを目的とした。調査した形質は交配型、ジャガイモ塊茎上でのコロニータイプ、メタラキシルに対する感受性および各種アイソザイムの泳動パターンである。特に交配型とアイソザイムの遺伝子型の組合せにより、菌株群の新旧の推測が可能であった。ジャガイモ疫病菌は19世紀後半に北米・欧州に多大な被害を与えた菌(第一次伝播した菌)と20世紀後半になってから世界各地で発見されたA2交配型の菌およびアイソザイムの遺伝子型が新しい菌(第二次伝播した菌)とに大別され、前者がold population、後者がnew populationと表わされる。本研究の供試菌株にはold, new populationに加えさらにアジア地域だけに特徴的なアイソザイムの遺伝子型の菌株があったので、その菌株群を新たにspecific populationとした。中国とネパールの菌株については現在検討中である。1996年度の調査で採集した菌株数は中国菌が93菌株(Al 92菌株、 A2 l 菌株)、ネパール菌が50菌株(Al 47菌株、A2 3菌株)であった。 パルスフィールドゲル電気泳動による核型の検討については、ジャガイモ疫病菌には他の糸状菌でもちいられているような試料調整法が適用できないことがわかり、現在最適条件の設定を行っている。
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