1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08406005
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
鈴木 幸一 岩手大学, 農学部, 教授 (20003791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 行洋 岩手大学, 農学部, 助教授 (60222022)
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Keywords | カイコ脳 / 神経情報伝達分子 / 休眠誘導 / 脳タンパク質 |
Research Abstract |
カイコの蛹脳の約5,000個(大造の休眠卵産生型)からmRNAを抽出し,cDNAライブラリーを作成中である.最終的には,休眠卵の環境情報伝達分子と考えられる27kDaの単離した脳タンパク質の遺伝子を同定し,バキュロウイルスシステムで大量発現した上で機能解析に利用する. 一方,蛹脳内のヌクレオチド代謝が母親の胚子期にすでに確立されているかどうかについて,イオン交換カラムを利用したHPLCで各ヌクレオチドについて定量し検討した.その結果,休眠卵の誘導率と高エネルギー型リン酸濃度(特にUTP)の間では密接な関係が確認された.さらに、5齢幼虫の雌脳の各ヌクレオチドについて休眠卵産生型と非休眠卵産生型で比較検討したところ,UTPが前者の脳で高い濃度であった. 以上のことから,カイコの脳の発生分化期における環境情報の受容伝達にヌクレオチド代謝の変換が重要であり,これを制御するのが27kDaタンパク質であり,この胚子から蛹までの一連の系(27kDaのタンパク質→UTPを中心とした高エネルギー型リン酸→休眠ホルモン分泌促進)が休眠の環境情報伝達の分子群として作動している可能性が示唆された.
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[Publications] 鈴木幸一・安嬰: "昆虫の新しい情報処理器官の探索" 日本比較内分泌学会ニュース. 88. 10-13 (1998)
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[Publications] 宋 紅生・鈴木幸一: "カイコ蛹脳へのヌクレオチド注射による休眠性変換" 東北蚕糸研究報告. 22. 10 (1997)
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[Publications] 呉 成倉・鈴木幸一: "環境情報伝達系におけるカイコ脳の機能" 東北昆虫. 35. 5 (1997)
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[Publications] 鈴木 幸一・他7名: "昆虫機能利用学" 朝倉書店, 225 (1997)