1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08406019
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山田 雅保 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10243073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 直治郎 京都大学, 農学研究科, 助手 (30212236)
酒井 裕 京都大学, 農学研究科, 助教授 (60089117)
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Keywords | 着床前胚の発生 / レドックス制御 / 転写因子NF-KB / 100kDa核内タンパク / 細胞周期 / 一酸化窒素ラジカル(NO) / 胞胚腔形成 |
Research Abstract |
哺乳類着床前胚の発生がレドックス制御を受けていることから、細胞の増殖と分化のレドックス制御の中心的役割を果たしている転写因子であるnuclear factor kappa B(NFkB)のマウス胚における局在の変化を共焦点レーザー顕微鏡を用いた間接免疫蛍光抗体法で観察した結果、細胞周期を同期化した1細胞期胚のGl期に特異的に核内に局在し、遺伝子転写の活性化を制御していることをこれまでに明らかにしている。今回、さらに未受精卵母細胞から受精後の胚発生における活性化型NFkBの局在の変化を観察するために、活性型に特有のペプチド配列を抗原として、その抗体の作製を試みた。しかし、作製された抗体は抗原ペプチドに特異的に結合するが、細胞内のNFkBとは反応せず、100kDaの核内タンパクを認識した。そのタンパクのペプチド配列を決定したところ、新規のタンパクであることから、さらにそのcDNA配列をdbEST walkとRT-PCR法から決定した。その結果、そのタンパクは、mRNA前駆体のスプライシング因子としての機能ドメインを有すること、およびそのタンパクは、免疫蛍光抗体法による観察から、マウス1細胞期胚のG2期に特異的に核内に局在することが明かとなり、マウス胚の胚性ゲノムの活性化における転写調節に関与している可能性が示唆された。一方、マウス胚発生におよぼす一酸化窒素合成酵素阻害剤の影響について検討した結果、これまでに2細胞期から4細胞期への発生に一酸化窒素ラジカル(NO)が重要であることを明らかにしているが、さらに今回、桑実期における胚のコンパクションにもNOが細胞内シグナル伝達物質として作用していることが明らかにされた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nishikimi,A.: "Nuclear translocation of nuclear factor kappa B in early l-cell mouse embryos." Biol.of Reprod.(in press).
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[Publications] Iwata,H.: "Allopurinol,an inhibitor of xanthine oxidase,improves the development of IVM/IVF bovine embryos in vitro." Theriogenology. (in press).
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[Publications] Iwata,H.: "Effects of antioxidants on the development of bovine IVM/IVF embryos in various concentrations of glucose." Theriogenology. 50. 365-375 (1998)
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[Publications] Hashimoto,S.: "Effects of Cumulus Cell Density During In vitro Maturation on the Developmental Competence of Bovine Oocytes." Theriogenology. 49. 1451-1463 (1998)
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[Publications] Parnpai,R.: "Effects of Leukenia inhibitory factor,stem cen factor,and basic fibroblast growth factor on the proliferation of bovine ICM cells in vitro" J.Mamm.Ova Res.15. 132-138 (1998)
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[Publications] 山田雅保: "生命誕生と生物の生存戦略" メディカルトリビューンブックス日本アクセル・シュプリンガー出版, 185 (1998)