1996 Fiscal Year Annual Research Report
微小重力下におけるラット大動脈神経性圧受容器反射機構の生後発達
Project/Area Number |
08407004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
清水 強 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (10084500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片平 清昭 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (90045774)
勝田 新一郎 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (80285022)
和気 秀文 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50274957)
永山 忠徳 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (10237555)
山崎 将生 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (10192395)
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Keywords | 微小動 / 血流量 / 体液シフト / 大動脈神経性圧反射 / 有髄線維 / 無髄線維 / 生後発達 / ヘッドダウンティルト |
Research Abstract |
本年度は上記課題の実験をスペースシャトルで行うために必要な地上実験を交付申請書に記した実験計画に沿って行い次のような結果を得た。なお、宇宙実験「ニューロラブ計画」の第1回リハ-サルが昨秋約50日間NASAのエイムスリサーチセンターで行われ全員が参加した。そこではラットへの2G負荷実験も行った。 1.発育期にある週齢の異なるラットで、麻酔下に血圧変化に対する大動脈神経活動の変化を記録し比較した結果、3週齢に比べて8週齢では基礎血圧が高く、また、フェニレフリンによる昇圧に対する神経束全体の活動量の増加率が大きく、平均血圧-神経活動曲線は全体に右にシフトし、そのピークも高くなった。20週齢の成熟群と両群とを比べるとこれらの結果が一層明瞭であった。 2.電子顕微鏡によるラット大動脈神経の組織学的観察は従来からの研究を更に発展させるべく試みてきたが、生後直後から、少なくとも8週齢迄は週齢の高い方がラットでも有髄線維数が多かった。 上記1と2の結果はラット大動脈神経性反射の求心路も構造上はもちろん機能上も生後発達して行くことを明らかに示している。このことが反射効果にどう影響を及ぼすか、また、反射機構全体としての発達はどうかなど今後更に定量的に追求して行きたい。 3.航空機を用いた放物線飛行により約20秒間の微小重力(0.05G)を催起し、その時のラット総頸動脈流量をトランジット型超音波血流計で測定した結果、流量は明らかに増加した。更に、Gと血流量とは2Gから0.05Gの間では負の相関関係を示した。この結果あはhead-down tilit(HDT)実験で得られた結果をよく反映していた。但し、大腿動脈流量反応はHDTの結果とは異なって増加した。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] 清水 強: "宇宙における循環調節機序の研究のための哺乳動物実験の意義" 第13回宇宙利用シンポジスムプロシ-ディング. 13. 59-62 (1996)
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[Publications] 清水 強: "“微小重力環境における大動脈神経性圧反射機構の発達"に関する実験計画" 宇宙航空環境医学. 33・2. 81-84 (1996)
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[Publications] 片平 清昭: "コットンラットの成長に伴う飲水量" 実験動物技術. 31・1. 9-16 (1996)
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[Publications] 片平 清昭: "脳卒中易発性高血圧ラット(SHR-sp)の成長に伴う飲水量" 実験動物技術. 31・2. 1-8 (1996)
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[Publications] 和合 治幸: "微小重力下の循環動態計測のための航空機実験" 生理学技術研究会報告. 18. 43-46 (1996)
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[Publications] 山崎 将生: "Parabolic Flightにおける麻酔下ラットの総頸動脈流量測定の試み" 宇宙生物科学. 10・3. 190-191 (1996)
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[Publications] 和気 秀文: "圧受容器反射機能の生後発達に及ぼすラットの立ち上がり動作抑制の影響" 宇宙生物科学. 10・3. 188-189 (1996)
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[Publications] 清水 強: "細見記念シンポジウム“循環をめぐって"微小重力の循環調節機構に及ぼす影響(抄)" 日本病態生理学会雑誌. 5・2. 36 (1996)
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[Publications] 勝田 新一郎: "ベントパルビタール麻酔によるウサギ急速血圧調節機能の経時変化(抄)" 第64回日本獣医循環器学会抄録. 7-8 (1996)
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[Publications] 和気 秀文: "幼弱および成熟ラットにおける大動脈神経性圧反射求心路の血圧下降に対する反応(抄)" 日本Shock学会雑誌. 11. 38 (1996)
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[Publications] 片平 清昭: "SDラットの成長に伴う血圧変動(抄)" 第43回日本実験動物学会総会講演要旨集. 104. (1996)
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[Publications] 清水 強: "微小重力下での大動脈神経性反射機構の発達(報告書)" パラボリックフライト-航空機微小動実験結果報告-. 7・2(印刷中). (1996)
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[Publications] 山崎 将生: "「ニュー『ラブ計画への参加』宇宙における血液循環の神経性調節機構の生後発達」に関する研究(紹介)" COSMIC東北. 11. 4-5 (1996)
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[Publications] 清水 強: "血流分配調節機構とその生後発達に対する微小重力の影響-主として実験動物による追求-(報告)" 第4回宇宙環境利用フロンティア共同研究成果概要. 4. (1996)