1996 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞の分化,活性化,細胞死を制御する細胞内分子機構の解明
Project/Area Number |
08407012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡邊 武 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40028684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 継揚 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80231041)
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Keywords | B細胞分化 / プレB細胞受容体 / シグナル伝達 / チロシンキナーゼ / Lyn / Btk / 自己免疫病 |
Research Abstract |
免疫細胞の分化、増殖、活性化あるいは不活化、あるいは細胞死は、多くの場合、細胞表面受容体とそれに特異的なリガンドとの結合によって生ずる受容体からのシグナルによって高度に制御されている。B細胞の場合、膜免疫グロブリン(sIg)およびそれに会合している分子(Igαβ)から構成されている受容体複合体からのシグナルは抗原受容体依存性の細胞分化、増殖、活性あるいは不活化に重要である。特にIgαβ複合体からのシグナルは、プロB細胞からのプレB細胞を経て、成熟B細胞にいたる分化過程に必須である。我々はプレB細胞のcDNAライブラリーを作成し、Yeast Two Hybrid Systemにより、Igβに会合している新たなタンパクIBAP-1、IBAP-2を単離した。現在、これらの分子のIgβからのシグナル伝達における機能を解析中である。これまでに我々はLynキナーゼ欠損マウスを確立し、Lynキナーゼ欠損マウスが高IgM値と自己抗体を産生し、自己免疫病を発症することを報告したが、このLyn^<-/->マウスとBtkキナーゼ欠損のあるxidマウスを掛け合わせ、Lyn^<-/->Btk^<-/->マウスを作成したところ、高IgM、自己抗体の産生がともに消失し、Lyn欠損マウスで見られる脾腫も消失した。これらの解析から、Lyn^<-/->マウスにおいては、B1細胞の異常な活性化が生じていることが示唆され、B1細胞においてはLynキナーゼは抗原受容体からのシグナルを抑制的に制御していることが示唆された。さらに、Lynキナーゼの主要な基質HS1タンパクに会合する新たなタンパク(HAX-1)を同定した。HAX-1は免疫細胞の細胞死に抑制的に働く機能を有するタンパクであることが示唆され、免疫細胞のアポトーシスに関与するHS1とは相反的に作用すると考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.sonoda,M.Nakashima,et al: "A novel tumor-associated antigen expressed on human uterine and ovarian carcinomas." Cancer. 77. 1501-1509 (1996)
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[Publications] J.Wang,H.Walker et al: "BP-1 gene:structure,chromosomal localization and regulation of expression by type I interferons and interleukin-7" Genomics. 33. 167-176 (1996)
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[Publications] T.Kobayashi,I.Ionue,et al: "Cloning,RNA expression and chromosomal location of a mouse histamine H2 receptor gene." Genomics. 37. 390-394 (1996)
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[Publications] F.Arakawa,M.Kuroki,et al: "Cloning and sequencing of the VH and Vk genes of an anti-CD3 monoclonal antibody,and construction of a mouse/human chimeric antibody." J.Biochem.120. 657-667 (1996)
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[Publications] M.Enjoji,T.Iwaki,et al: "Establishment and characterization of choroid plexus carcinoma cell lines:Connection between choroid plexus and immune system." Jpn.J.Cancer Res.87. 893-899 (1996)
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[Publications] D-M Su,J.Wang,Q.Lin,et al: "Interferons α/β inhibit IL-7 induced proliferation of CD4-8-CD3-(TN)CD44+25+thymocytes,but not block that of TN CD44-25-cells." Immunology. (in press). (1997)