1996 Fiscal Year Annual Research Report
肝移植後早期のグラフト機能不全の機序解明とその制御に関する研究
Project/Area Number |
08407031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉町 圭蔵 九州大学, 医学部, 教授 (00038762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢永 勝彦 九州大学, 医学部, 講師 (70220176)
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Keywords | 肝臓移植 / 冷虚血再潅流傷害 / Kupffer細胞 / Apoptosis / 遺伝子導入 / TNF-α |
Research Abstract |
1,ラット肝移植PNFモデルの作製とApoptosis われわれは、虚血再潅流傷害・Primary non-function(PNF)機序解明のため、ラット肝移植の系を確立した。本実験を用いて、24時間UW液に保存したBNラットの肝臓を同系ラットに移植し、PNFの発生を確認した。再潅流後4時間の肝組織をApoptag kit(TUNEL法)で染色し、PNFの肝組織中にApoptosisが存在することを示唆した。今後、TUNEL法で染色された細胞がDNAラダー、電顕等にてApoptosis細胞であることを証明する予定である。また、Apoptosis indexを測定し、PNF発生との相関を検討する予定である。 2,ラット肝組織内Kupffer細胞への遺伝子導入 BNラットの肝移植モデルにおいて、ラクテック冷保存中の肝に経門脈的にFITCにてラベルされたオリゴヌクレオチドを封入したHVJ-1iposomeを投与し、類洞内のKupffer細胞への遺伝子導入が可能であることを確認した。また、副作用に関しては、遺伝子導入群と遺伝子非導入群との間で、GOT、GPT、並びに7日間生存率に有意な差がないことを確認した。今後、虚血再潅流傷害・PNFに関与するサイトカインとして、Kupffer細胞が産生するTNF-αに注目し、そのm-RNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドをKupffer細胞に遺伝子導入し、虚血再潅流傷害軽減効果を検討する予定である
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