1999 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌の基底膜浸潤・転移を規定する因子の同定と細胞間相互作用に関する研究
Project/Area Number |
08407032
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高尾 尊身 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (80171411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 政之 鹿児島大学, 医学部, 教授 (90136854)
秋山 伸一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60117413)
村田 長芳 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60020765)
愛甲 孝 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60117471)
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Keywords | 消化器癌 / 浸潤 / 転移 / E-カドヘリン / チミジンホスホリラーゼ / 血管新生 / 細胞間相互作用 / 内皮細胞 |
Research Abstract |
(1)血管新生活性をもつチミジンホスホリラーゼは消化器癌において高い活性が認められ,かつチミジンホスホリラーゼの発現は患者の予後に関連している。すなわち、チミジンホスホリラーゼは癌の進展(浸潤・転移)に関連していることが示唆された。そのメカニズム解明のためチミジンホスホリラーゼをトランスフェクトした細胞(発現株)とその親細胞(非発現株)とて浸潤能や運動能を検討した。チミジンホスホリラーゼは血管新生を通じてin vivoでの増殖能亢進,またin vitroでは運動能の亢進を示し、低酸素条件下ではアポトーシスの回避に関与していることが判明した。次いで、チミジンホスホリラーゼ阻害剤による腫瘍増殖および浸潤・転移への影響を検討した。チミジンホスホリラーゼ阻害剤はin vivoにおいて血管新生阻害を通じて腫瘍の増殖を抑制した。In vitroでは、増殖抑制は示さなかったが、基底膜浸潤能さらに細胞運動能を濃度依存性に抑制した。また、低酸素条件下でのアポトーシスの回避も抑制した。これらの結果は、チミジンホスホリラーゼ阻害剤がチミジンホスホリラーゼ発現細胞の悪性増殖能を阻害することを示すと同時にチミジンホスホリラーゼが浸潤・転移に重要な役割を果たしていることを裏付けている。そこで、in vivoでの転移モデルによる検討をおこなったところ、チミジンホスホリラーゼ阻害剤は肝転移を抑制した。これらの結果はチミジンホスホリラーゼ阻害剤の転移抑制剤としての可能性を示唆している。(2)チミジンホスホリラーゼ発現細胞の肝転移における肝類洞内皮細胞との細胞相互作用における超微形態学的変化を透過型・走査型電顕で観察した。低発現株に比べて高発現株では肝類洞内皮細胞への接着数が有意に上昇することを見出した。(3)数種類の膵癌細胞株を用いて内皮細胞との接着に影響を及ぼす因子の検討を行った。その結果、癌細胞から産生されるインターロイキン1αによる内皮細胞への接着の亢進が認められた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Futoshi Miyazono: "Molecular detection of circulating cancercells during surgory in patients with hiliary-pancreatic cancer"America Journal of Surgery. 177. 475-479 (1999)
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[Publications] Sonshin Takao: "Mucin coreprotein exprssion in extra hepatie bileduct carcinoma is associated with metastases to the liver and poor prognosis"Cancer. 86. 1966-1975 (1999)
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[Publications] Yoshiro Imamura: "Establishment of highly invasive clones in ahuman colorectal cancer and their relation to matrix metalloprotein"Medical Journal of Kagohsima University. 51. 51-58 (1999)
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[Publications] Che Xiangming: "Cooccurrence of reduced expression of α-catenim and overexpressin of p53 is a predaion of lymph nodematastasis in early"Oncology. 57. 131-137 (1999)
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[Publications] Sonshin Takao: "Hepatic metastasis of gastrienteralogical cancer:its tumor bidogy and oncological surgery"Huma Cell. 12. 75-83 (1999)
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[Publications] Matsushita,S: "The effect of a thymidine phosphorylase inhibitor on angiogenesis and apoptasis in tumorus"Cancer Research. 59. 1911-1916 (1999)