1998 Fiscal Year Annual Research Report
加齢と再神経支配による骨格筋モーターユニットの機能的変化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
08407046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
波利井 清紀 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (50111539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 智明 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (00302688)
吉村 浩太郎 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (60210762)
朝戸 裕貴 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (20222581)
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Keywords | ミオシン / 再神経支配 / 脱神経 / MyoD / 筋衛星細胞 / 再生 |
Research Abstract |
老化に伴う骨格筋の変化は部分的なニューロン脱落に伴う脱神経による萎縮が中心的なものである。脱神経後に起こる筋再生様の変化に注目し、その変化の起こる機序についての若干の知見を得た。脱神経後、胎児型ミオシンが免疫染色およびピロリン酸電気泳動法によって大型の脱神経線維に軽度ないし中等度発現されていることがわかった。この胎児型ミオシンの量は脱神経後3週ごろがピークであった。さらに脱神経後2ー4週において胎児型ミオシン、MyoD蛋白、BrdUの免疫組織染色を通じて正常筋にはほとんど認めない活性化筋衛星細胞が出現していることが確認された。しかし免疫組織染色において胎児型ミオシンを強く発現する典型的な再生線維(筋環細胞)はほとんど確認できず、したがって活性化された筋衛星細胞はそれ同士が融合して再生線維を形成するのではなく、既存の脱神経線維に融合してその萎縮性変化を修復していると思われた。さらに脱神経萎縮に伴う筋核の脱落にはアポトーシスが関連している可能性を調べた。TUNEL法、およびヒストン断端ラベリング法によるELISAによって脱神経後2ー4週においてアポトーシスが起こっていることが示唆された。しかし、DNAラダーは検出されず、ごくわずかの核が変性を受けていることによる検出法の感度による問題と思われた。
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[Publications] Yoshimura K, et al.: "A Regenerative Change during muscle adaptation to denervation in Rats." J.Surg.Res.81 (2). 139-146 (1999)
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[Publications] Yoshimura K, et al.: "Immunohistochemical Analysis of Clinically transplanted muscles." J.Surg.Res.79 (1). 31-38 (1998)
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[Publications] Yoshimura K, et al.: "Myosin heavy chain expression inskeletal muscle autografts under neural or anearal condition." J.Surg.Res.75 (2). 135-147 (1998)